「我が国の政治はいったいどうなっているのか!」
大震災の後、一コンサルタントがブログで上げるまでもなく、多くの方が、多くの場所で論じているテーマです。
陳腐な理論は今日は抜き。
見地(視点)を変えて論じてみたいと思います。
思い切って、政治学的見地からではなく、マーケティング的見地から、迷走するわが国の現在の政治について考えてみましょう。
セリング(営業)や、プロモーションに携わっている方なら、当たり前のように、おわかりいただけると思うのですが、
セールスやプロモーション上の
「腕」
というのは、提供する製品や役務(サービス)のレベルの上下に関係なく、
常に
「売れる」
「売り切る」
ことができるかどうかで、評価されるものです。
商品の腕がよくても売れる。
商品の腕が悪くても売れる。
これこそが尺度。
優秀なセールス・パーソンは、取り扱う商品の種類やブランドや知名度に、一切左右されないからこそ賞賛されますし、どこの業界でも通じるわけです。
林文子さんも、湯浅真弓さんも、伊吹晶夫さんも、フランク・ ベトガーも、ご自身が取り扱う商品がたとえ何であれ、間違いなく成功したと思います。
売れるセールスマンは、たとえ、石ころでも、プラチナやダイヤモンドと同じ金額で商談をまとめることができます。
それこそが彼らの付加価値だからです。
陳腐ですが、顧客は、石ころを購入しているのではなく、その「セールスマン」自体を買っているあからです。
ああ、なんか、安手のマーケティングの教科書みたくなってきました(我ながら安っぽい笑}
いやいや。
これで終わりませんのでご安心を。
私が今日話したいのはこの先なのです。
申し訳ありませんm(__)m
もし、私が与党の政治家であれば、自分たちが担ぎ上げた「首相」というのは、自身が売り込んだ(国会で指名したわけですから)
「商品」
です。
その商品を、舌の根も乾かぬうちに
「欠陥品ですので、リコールさせていただきます」
などと、軽々しく言えるかどうか…その点を考えていただきたいのです。
ううむ。これでもまだ、安っぽい笑
教科書匂が残っていますね。
では、もうちょっと先を。
「首相=与党の売り込む商品」
と捉えてみましょう。
セールス・パーソン(与党の国会議員)として名を上げたいと思うなら、
「いやいや、皆さん、いろいろおっしゃるのですが、うちの首相、実はカクカクシカジカ…」
と、まずは、大見得切って、必死に売り込んでほしいのです。
みえみえでもいいのです。
「ありゃりゃ、彼も欠陥商品を抱えてたいへんだ。でも、彼のその商品に対する思いや、真剣な謝罪と熱意の姿勢はみあげたものだ。小さな欠陥に目くじらをたてるのは、大人げないな」
顧客がこう考えてくれればいいのです。
「君。もう、いい。わかった。頭をあげて。私も言い過ぎた。今回の件は、ちゃんと対応してくれるなら、水に流そう」
顧客の側から頭を垂れてくれるような、セールス・パーソンこそが一流なのです。
国会議員もいっしょです。
たとえ、ダメな商品(首相)であっても、一生懸命売り込む姿勢こそが、顧客(国民)のハートを捉えるのです。
キャンキャン吠えまくって、自分が半年前に売ると決めた商品に対して
「すいません。欠陥商品なので回収します。あ、規定で代金は回収できないので、申し訳ありません。決まりですので。ご不明な点は、次の担当者にお申し出ください。あ、返品の際の手数料はお客様負担となります。ご了承ください」
…これはないでしょう。
私なら、
「あなたは、マーケティングの勉強を一からやりなおしたほうがいい。コトラーの『マーケティング原理』お貸しましょうか?」
と雷を落とします。
ちょっと古いですが、
リレーションシップ・マーケティングの視点に立ち、
「損して得とる」
ことはできないものでしょうか。
「申し訳ありません。納品したあの商品(首相)。いろいろ問題はあるのですが、実はいいところもありまして、カクカクシカジカ。商品自体については、他のお客様(他の議員・反対派の国民)からもさまざまなご意見いただいているのですが、まあ、ここは、私にお任せください。大丈夫ですよ。本社(政党首脳部・首相官邸)にも働きかけますし、皆さんがたについてはちゃんとケアさせていただきます。当たり前ですよ。私がついているのですから」
カラカラと笑いながら、以上のように語り、ドーンと胸を叩くことを、なぜ、誰も…どの与党議員もやらないのか。
たいへん疑問に思うのです。
「そのほうがよっぽど、男(女)を上げるよなあ」
「あいつはさすがだな。稀代のセールスマンのような政治家だな」
このように思う顧客(国民)を、数千万人単位で作り上げることができるのですが…
相手の揚げ足をとり、相手の重箱の隅をつつき、テレビ番組で自分の立場だけを正当化する…
もう終わりにしませんか?
同じことをしている販売員・営業マンがいたら、
「笑っちゃうよな」
ということを、政治家はやるべきではないのです。
それは、マーケティングの基本を無視する行動なのです。
言い方は悪いですが
「欠陥商品のような親分を見事担いだ時にこそ、その政治家は一流になる」
ということに、是非、気づいていただきたいのです。
この考え方。
拡張してみましょう。
「欠陥商品のような与党を見事担いだ時にこそ、その野党は一流になる」
と考えることもできます。
この場合、「担ぐ」とは、ただ単に同調するという意味合いではなく、もちろん、「一流のセールスパーソン」が得意とする、「一流の駆け引き」を含みます。
「二流以下のセールスパーソン」が得意とする、「二流以下の駆け引き」は含みません。念のため。
「カメラの前で、半年前に太鼓判を押した自社製品を罵るセールスマンを見たら、あなたはどう思いますか?」
という、ただ、それだけの、単純な問題だと思うのですがねえ。
政治家の先生方へ一言。
ドラッカーは女子高生に任せていいから、皆さんは、コトラー教授を読んでくださいね。
きっと、次回も当選できますよ。