昨日今日と、茨城県古河市に来ている。従兄の通夜と葬儀に参列するためだ。
古河に来たのは久しぶり。コロナ前には「古河はなももマラソン」という大会があり、私は2度走ったことがある。どちらの大会でもプライベートベストを更新できた。あの時の爽快感や街のにぎわいが、今も印象に残っている。
だが、久しぶりに訪れた古河の街並みはずいぶんと変わっていた。
2年前に法事で会ったときには、従兄はすこぶる元気だった。母と同い年で、父の歳の離れた姉の長男にあたる。私とは一世代まるごと離れているが、だからこそ、子供の頃には本当によく遊んでもらった。
特に思い出深いのはドライブだ。我が家には車がなかったので、彼が車でやって来て、そのままどこかへ連れて行ってくれるのがとにかくうれしかった。目的地がどこであれ、その時間が特別な冒険に思えた。
従兄は温厚で快活な紳士だった。親戚の中でも優等生的な存在で、歳の離れた優しいお兄さん。多趣味で情報通。親戚の昔話を語らせれば生き字引のように何でも知っていた。
今日の葬儀で初めて知ったのだが、実は海外旅行も大好きで、訪れた国は30カ国を超えていたという。80歳を超えてなお壮健で、2年前に会ったときには、英会話を始めたからあなたも何か新しいことをやってみたら?…と勧められたことを覚えている。
納棺の際、学生が使うようなノートが一緒に棺に納められた。何だろうと思って、彼の娘たち(側から見たらこちらの方が従兄妹同士に見えると思う)に尋ねてみたら、なんと自作の英作文集だったという。大切に使っていたからこそ、棺に入れることにしたらしい。
最後の最後まで、バイタリティにあふれた人だった。
その姿を思い出しながら、ふと、自分も何かやってみようかという気持ちになった。よし、彼を見習って、久しぶりに——5年ぶりくらいになるだろうか——TOEICを受けてみようか。
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