民法講座のスクーリングで、5人のグループで、

「単独行為とは何ですか。具体的に3つあげ、お互いに説明しあってみましょう。時間は2分間。よろしいですか? ではやってみましょう。用意…スタート!」

という演習を実施した場合、

「追認」
「取消しもかな」
「遺言もだよね」
「相殺もそうだよね」

他の4人がスラスラと答えられるのに、自分だけが答えられない…というシチュエーションにあなたが置かれたとすれば、どうお感じになるか…思い浮かべてみてください。

「まずい。自分だけ取り残されている」

と思う方が大半だと思います。
そう思ったら、勉強するしかありません。腹をくくりますよね。
この気持ちが大切なのです。

とかく私たちコンサルタントや講師は、知識や情報の伝達にエネルギーを割いてしまいがちです。
しかし、一番大切なのは、動機づけです。
それも、

「がんばってください」
「ちゃんと勉強してください」
「時間をとってください」

というだけでは十分ではありません。むしろ、逆効果です。

動機づけで最も大切なのは、いつの時代も「北風より太陽が強い」ということなのです。

直接口頭で動機づけるのではなく、

① 膨大な情報量を整理し、「選択と結合」のスキルにより、講義自体をストーリー化し、受講される方に「自分にも理解できる」「もう少し学んでみたい」という納得感を持っていただくこと

② ショートディスカッションにより相互の学習レベルを把握し、学習の進んでいる方はそれを確認し、学習が遅れている方はそのことに気づいていただくこと

が大切なのです。

「北風型」ではなく、「太陽型」の講義をいかに演出できるか…講師はこのことを常に考え続けるべきなのです。

<この稿終わり>
㈱経営教育総合研究所 竹永 亮
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