若い頃、上司に紙を渡され「これゼロックスしてきて」と言われた経験がある方、多いのではないでしょうか。昭和の時代、おじさまたちは「コピーを取る」という意味で「ゼロックスを取る」という表現を使っていました。

ところが、この Xerox という単語、英語の辞書を引いてみると 「コピーを取る」 という意味がしっかり載っています。つまり、日本独自の言い回しかと思いきや、実は日米共通だったのです。

ただし、ゼロックス社(Xerox Corporation)はこれを快く思っておらず、自社の社名が動詞として使われることを避けるよう呼びかけています。 そのため、正式な英語で「コピーを取る」という動詞は photocopy になります。これは TOEIC でも頻出 の単語ですね。公的な文書などでは Xerox ではなく photocopy が使われる のが一般的です。

とはいえ、口語では今でも「Xerox」が使われることがある ようです。ただ、日本では「ゼロックスしてきて」と言う世代はほぼ引退しており、そもそも コピーを取るという行為自体が激減 しました。PDFの普及によって、書類の電子化が進んだからですね。

実際、私自身もここ数年コピー機に触れておらず、気がつけば 会社のコピー機の使い方すら忘れてしまいました…。