こんばんは。

今週末はクライアント企業主催の読書会のファシリテーターを務めます。若い方々と、ショーペンハウアーについて語るのはとても楽しみです。

ショーペンハウアーの思想は、彼の主著「『意志と表象としての世界』」に詳しく記されています。まだ全部読めていないのですが、なかなかの難読書ですね。

彼は人間の存在において、意欲という力が根底にあると信じました。この意欲は、生存を維持する欲求から芸術、愛、欲望といった多くの形で現れると考えましたが、常に不満足であるために人々は苦しみを経験すると述べました。

ショーペンハウアーの悲観主義は、人間の欲望と物質的な追求が一時的な満足をもたらすものの、結局は幸福をもたらさず、むしろ苦しみを強調する点にあります。彼は人間の存在そのものに対して否定的な見解を持ち、現実の本質は永遠の苦しみであると考えました。

また、彼の思想は仏教とも類似しており、欲望を断つことで苦しみを軽減し、解放される可能性があるとしています。芸術においても、芸術作品を創造する行為や芸術に没頭することで、人は一時的に意欲から解放される瞬間を体験できると主張しています。

ショーペンハウアーの思想は当時はあまり理解されなかったものの、後の時代になってより多くの関心を集めるようになりました。彼の考えは悲観的であるものの、人間の苦しみについて真剣に考察し、精神的な自由を追求する姿勢は、現代の哲学や心理学においても一部の影響を与えています。

『読書について』は、彼の読書論についてのエッセーであり、ショーペンハウアー入門としては最適の一冊。

よかったら皆さんもぜひ読んでみてくださいね。