本日の読書会(れっきとしたお仕事です! ある企業のご依頼で本日はファシリテータを努めさせていただきます)にあたり、ショーペンハウアーについてまとめてみた。

ニーチェの師匠…として認識してから、私は興味が出たなあ。
主著『意志と表象としての世界』は現在、まだ読んでいます。大著ですが、プラトンやアリストテレスよりは読みやすい。

ちなみに、本日の課題図書は、彼の著書『読書について』です。




1.生い立ちと青年期
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① 1788年にドイツで商人の息子として生まれる。生まれた翌年にフランス革命が始まる。
② 彼の世代はナポレオン戦争の影響を受け、その動乱の中で育つ。
③ 早くから学者になることを志すが、父に商人としての道を進むよう説得され、ヨーロッパ旅行を餌に学者の道を一度は断念する。


2.ヨーロッパ旅行と哲学的洞察
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① 2年間のヨーロッパ旅行は彼に大きな影響を与え、産業革命や科学の裏側を見る機会となる。
② 貧困や社会的格差など、世界の負の面を目の当たりにし、ペシミズム(厭世主義)へと向かう。


3.哲学的源流
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① プラトンのイデア論、カントの認識論、そして仏教や東洋思想が彼の哲学の主要な源流となる。
② 意志(欲求)を捨てることが苦しみからの解放につながるとする、仏教思想が彼の哲学に大きな影響を与える。


4.学者としての経歴
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① 30歳で主著『意志と表象としての世界』を執筆するが、大コケ。
② 失意の中で書いた本書の付録『余録と補遺』が大当たりし、特にエッセー『読書について』が好評を博す。


5.晩年と影響
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① 彼の現実を直視し、最悪のケースを想定する生き方は、ビジネス界で評価される。
② 投資で大成功し、父の遺産を増やす。
③ 彼の哲学は後世に大きな影響を与え、特にニーチェ、フロイト、アインシュタインなどの著名な思想家・科学者に影響を与える。


6.著名人に与えた影響
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(1) フリードリヒ・ニーチェ
① ショーペンハウアーのペシミズムや意志の哲学は、ニーチェの「意志の力」の概念や生の肯定へと繋がる。
② ニーチェはショーペンハウアーの厭世主義を批判し、より積極的な人生観を提唱した。

(2) ジークムント・フロイト
① ショーペンハウアーの意志の哲学は、フロイトの無意識と欲望の概念に影響を与えた。
② フロイト自身、ショーペンハウアーを「精神分析の先駆者」と呼んでいた。

(3) アルベルト・アインシュタイン
① ショーペンハウアーの「全ては意志と表象から成る」という思想が、アインシュタインの物理学と宇宙観に対する理解に寄与したと言われている。

(4) リヒャルト・ワーグナー
① ショーペンハウアーの哲学は、ワーグナーの音楽観や作曲に影響を与えた。
② 特に、「楽劇」の概念や「トリスタンとイゾルデ」における無意識の表現などに、ショーペンハウアーの影響が見られる。