先日、「コロナで変わる私達の価値観 〜ポスト資本主義とブルシットジョブ〜」というテーマでサロンを開催しました。

今回は、初参加の方が多く、また、数年ぶりに参加してくださった懐かしい顔ぶれも多く、たいへん新鮮な印象でスタートしました。

まずは、ご案内の際に紹介させていただいた2冊の話題の本、『ブルシットジョブ』と『人新生の『資本論』』についての質疑応答や読後感想から、スタートしました。

『ブルシットジョブ』のほうは大著であり、また、評価が定まっていないこともあり、ほとんどの方が未読のままの参加となりました。一方、『人新世の『資本論』』のほうは参加者の方にもファンの方がいらっしゃり、冒頭はこの2冊の内容の要約についての情報交換となりました。

ブルシットジョブとは、つまらない仕事だと本人も自覚しているにも拘らず、社会的評価は高く、報酬も高い・・・という矛盾を孕んだ仕事のことであり、封建的資本主義が生み出した必要悪である。
すでに過去の遺産と考えがちな社会主義ですが、実は企業は外側は資本主義に見えますが、内側は社会主義の側面が強い。
資本主義が進んだ結果、SDGsを推進したくらいではどうにもならないくらい地球は限界に来ており、唯一の選択肢は私たちが「欲」を抑え、資本主義そのものを捨てるしかない。

その後、徐々に、私たち自身の資本主義に関する日常的・個人的な経験に話が移りました。
たとえば、

「自分たちが初めて、お金をもらって社会に必要とされた原体験」

といった議題です。
アルバイトや親の仕事の手伝いの話、『風の谷のナウシカ』の「腐海」の話等、さまざまな経験談が飛び出しました。

また、公務員の方が出席されていたこともあり、役所の仕事の話、議員の役割についても、いろいろな質疑応答が飛び出しました。

4月という時期的なこともあり、新入社員がブルシットだと思っている仕事が、年配社員から見ればそうではない…といった社会人同士の「モノの見方」の違いに対する議論にもなりました。

中盤は、日本版ブルシットジョブの代名詞、ハンコ文化と稟議制の良し悪しについてもさまざまな意見がでました。イギリス人と日本人との文化の違いではないか?という意見も飛び出しました。

ブルシット・ジョブに陥らないようにするためにどうすればよいか?という問いかけに対しては、責任を取らない組織の問題点の指摘がなされたり、、アジャイルという考え方の一般化を主張する声、報連相やメールのccのあり方に対する意見、社会的手抜き現象を始めとする行動科学の事例紹介等、後半はかなり具体的な意見が飛び出し、議論は白熱いたしました。

最後は、コミュニティと組織の違いについて一人ひとりが見解を述べ合い、議論は終了しました。

休憩を挟んで自由参加で行われた懇親会では、読書がテーマとしてあがり、本を読むモチベーションや具体的な本の読み方について意見交換がなされました。
初対面同士が多いとは思えなかったくらい、多岐に及ぶ雑談会担ったと思います。

さてさて。
緊急事態宣言は延長の見込み…まだまだリアルで雑談会を楽しむのは難しい状況が続きます。今後も当面は、Zoomで開催したいと思いますが、引き続き、よろしくお願いいたします。