今回は、「DX時代のリーダーシップと組織開発」というテーマでサロンを開催しました。

同じくDXを取り上げた前回サロンでは、

「若手がDXに対するアイディアを出しても、それをトップに伝えるミドル(中間管理層)が少ない「ナイスミドル不在論」が問題だ!」

というテーマで盛り上がったのですが、今回は、冒頭から、

「一概にそうはいえないのではないか」

という意見が出ました。

「DXは社長(経営トップ)が発起人となる場合が多い」
「イノベーティブな人間に年齢(階層)は関係ない」
「嗅覚の優れた人間なら、年齢や海藻に関係なく、DXは推進できる」

といった声です。同一テーマや類似テーマで開催しても、出席メンバーが変わると、声や意見も大きく変わる…これは当サロンの特徴の1つです(ファシリテーターとして一度として退屈したことはありません(笑))。

「DXにはリスクがつきもの。リーダーがそのリスクに耐えられるかどうか、いわば『見切り発車』できるかどうかがポイントだ」

という意見には多くの参加者がうなずいていました。
一方、中間管理職(ミドル)に対する別な意見も出ました。

「日本の中間管理職は『置き換え』に長けている」

つまり、トップとロワーを結ぶミドルは本来いい意味で優れた翻訳者たるべきなのですが、逆機能する場合がある…

「トップがDXを進めるぞ!」

と意気込んでも、ミドルがその意図を、都合よく”意訳”して

「漸進的改善で構わない」

とロワー(現場)に伝えてしまう可能性があるのではないかという指摘です。ロワー(現場)が「今まで通り」の仕事をしたい場合、この翻訳は耳障りの良い”福音”であり、それゆえ、トップの意図(DXを推進したいという意図)は現場には伝わらないというメカニズムになります。

また、

「DXに必要なリーダーは、年齢や階層とは関係なく、嗅覚(資質)の問題だ」

という資質論にもなりましたが、

「『嗅覚』はトレーニングが難しい。どうすれば、その嗅覚を身につけられるのか」

という問題提起も印象深いものでした。

「今回のDXは、歴史上どの程度大きな変化だと思うか?」

という議論にもなりました。これに対しても、

「95年頃のインターネット、昨年のZoomと同じくらいの大きなインパクトだ」
「100年に一度の好機だ」
「応仁の乱のように長く続く変化だ」

と、さまざまな感想が出ました。

議論中、DXではなく、ITそのものの話になってしまう局面もありました。その際、

「DXとITがごっちゃになっている。DXは本来『変革』であり、『どう変わりたいか』のほうが重要。それがないと先には進めない」

という声も出ました。これは前回開催のときにも多数出ていた意見です。

平日夜の開催であったのもかかわらず、今回も当サロンは大いに盛り上がり、懇親会は22:00すぎまで続きました。出席してくださった皆様、本当にありがとうございました。

さてさて。
首都圏でも緊急事態宣言は解除されましたが、予断を許さない状況が続いております。今後も当面は、Zoomで開催したいと思いますが、引き続き、よろしくお願いいたします。