では、動機づけ地形図の7つの湖について1つずつ解説していきましょう。

まずは、前回、一番、標高が高いと申し上げた関係性です。

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(1)       関係性の定義
関係性とは、「関係性」とは、職場における人間関係全般のことをさす概念です。企業によっては、リレーションシップと英訳したり、コミュニケーション(意思疎通)と意訳したりして、用いています。

(2)       関係性の位置づけ
モチベーションの7つの湖の中でもっとも目立たない要因が関係性です。関係性が向上してもすぐにはモチベーションの向上につながらないために軽視されがちなのです。関係性をヒマラヤの頂上にある湖と考え、モチベーションをインド洋と考えていただくと、ヒマラヤの頂上で仮に氷が解けて水となっても、インド洋に流れ込むには一定の時間がかかることがわかります。両者の間には直接の関係はなくても、間接的には、関係性はモチベーションとしっかりと関係しています。

(3)  他の因子との関係
関係性は、後述する自己決定感・承認に影響を及ぼす因子です。
自己決定感とは、自分で職場を切り盛りしているという自覚であり、承認は組織の中で誰かに認められたり、ほめられたりしているという自覚です。
①      自己決定感との関係
関係性が向上すれば(人間関係がよくなれば)、上司や先輩はこれまで以上に重要な仕事を任せてくれるでしょうから、自己決定感は向上します。
②     承認との関係
関係性が向上すれば(人間関係がよくなれば)、今までほめてくれなかった上司や先輩の中にもほめてくれる人が増えてきますから、承認が向上します。動機づけ地形図の中の「関係性→自己決定感」「関係性→承認」の2つの矢印はこれら①②の関係を示しています。

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<次回に続く>