昨夜は、コロナ時代の「失敗学」というテーマでサロンを開催しました。コロナ対応でお互いが経験した試行錯誤、並びにその結果としての成功事例・失敗事例の共有が狙いです。
実際には、
…という7つが議題となりました。
(1)リモート時代にも拘らずリアルな面接を望む顧客への対応法
(1)については、顧客の環境にもよるが(自宅やオフィスでは話しにくい議題の場合はリアルを求められやすい)、その場合も、①リモートでのやり取りを前提に話をすすめる、②ホテルやカラオケボックスがリモートワーク支援のサービスを行っているのでそこに誘導する、③自分の近隣にも感染者が出た話をして「脅す(笑)」等の方法が意見として出ました。また、文具・家具メーカーが作っているリモートワーク用の設備(電話ボックス型の小部屋)にも関心を示した方がいました。道筋がついている会議の場合にはリモートでもOKだが、そうではない場合にはリアルな会議のほうが真剣に議論できるのではないかという使い分けのアイディアも飛び出しました。
(2)人材育成や研修手法の変化および新規顧客獲得営業の方法
(2)については、人材育成に絡むお仕事をしている方が多くさまざまな情報交換がなされました。①久しぶりにリアルで研修を行うと、感染防止対策のために忙殺される、②ネットを使った営業、特にYou Tubeに1分程度の関心の高い分野の動画を載せることで顧客の関心を集めることができる、③コンテンツをいち早くリモート研修に対応したことを顧客に告げる(中身より方式を売りにする時期である)等のアイディアが出ました。研修メニューについては、抜本的新作を作るというよりも、リアル時代に使っていた研修メニューの改訂作業を進めている方が多いようです。一方で、リアル時代には通用した原理・原則が修正を余儀なくされているというお話も伺えました(こまめな休憩や気持ちの切り替えができる仕組みづくりは必須のようです)。
(3)コロナ時代・リモートワーク時代の印鑑文化
(3)については、大企業・お役所を含めて、印鑑文化は縮小してはいるもののゼロにはならないことがわかり、参加者全員で苦笑いしました。請求書等の場合にはほぼ必要ないにもかかわらず印鑑を押す文化が残ってしまっているようです。クラウド等を用いた電子認証システムの普及にはもうすこじ時間がかかりそうだという結論に至りました。
(4)リモートワーク中の雑談の機会の創出法
(4)も盛り上がりました。リモートワークの普及により、「コピールームでの立ち話」「給湯室・喫煙室での雑談」が消えてしまった…これでいいのか?という疑問からのスタートでした。仕事における時間的「余白」は新たな発想の根源であり、これがなくなることはダイナミズムの喪失につながるのではないか…という議論です。積極的に(「アクティブ」に)雑談を行う機会の創出は今後のオフィスのテーマになりそうです。①会議を中締めし、雑談をする方法、②研修で用いられるアイスブレイクを一般の会議にも転用する方法、③ランチタイムにZoomをつないで希望者だけを集める方法等、たくさんのアイディアが出ました。「雑談をしましょう」と直接的に誘うのではなく、間接的に、上手く「偶然を創出する」ことが大切だという意見には、皆さん、頷いていました。
(5)余暇の過ごし方
(6)仕事のオンオフの切り替え方
(6)については、個人のオンオフの切り替えというよりも、企業側・組織側の締め付けがきつくなってきたことへの反対意見が飛び出しました。仕事のスタート時、エンディング時にいちいちメールを送る…といったリモートワークの職場ルールが増えているようであり、不快感を示す意見も飛び出しました。リモートワークにおける人の管理は難しいという話から、下記(7)に議題が移ります。
(7)これからの人の管理と評価の方法
(7)については、時間の都合で、延長線(懇親会)中の意見交換となりました。人の管理は難しいものの、締め付けを重視する(管理や監視の強化)企業が多い中で、悩んでいる部下や後輩への声かけの仕組みづくりについてトライアンドエラーを行っている方のお話は興味深いものでした。上司が直接声掛けすると、部下としては恐縮したり、むしろ自信喪失したりしてしまう可能性がある。中間の先輩社員クラスにその役割を担ってもらう…というアイディアはおもしろかったです。また、進捗状況を企業側・上司側がチェックする仕組みではなく、従業員・部下自身がタスク管理できる仕組みを提示し、自分で気づくように仕向けていくことの重要性についても議論しました。今後は「コロナ時代のOJT」をテーマにまたサロンを開催しましょう…という話になりました。