昨日のビジネス雑談サロンでも少しだけ話したのですが、動画会議特に、多くの方を巻き込んだ動画配信等を行う場合に、どうすれば音質が上がるかについて、改めて述べてみたいと思います。
昨今、パソコンの内蔵マイクも音質が上がってきてはいますが、有料のセミナーやイベントで、あるいは、録画・録音した情報を後日、有料で販売しようとする場合に耐えられるほどのレベルのマイクは使われていません。
マイクはやはりある程度しっかりしたものを使ったほうがいいと思います。
1.マイクの選び方
(1) コンデンサーマイクか、ダイナミックマイクか
ダイナミックマイクとは歌手が使っているマイクと同じ形式のものです。比較的安価で、水・湿気にも強く(飛沫にも強い、だから歌手がライブ会場で使用する)、電池いらず。しかし、最大の欠点は音質が悪い、拾える周波数帯域が狭いのが原因のようです。
仕事で使うことを考えるなら、コンデンサーマイクを使ったほうがいいでしょう。上記の逆ですから、比較的高価で、水・湿気には弱く(飛沫にも弱い)、電池が必要。ただし、音質は良いわけです。
湿気に弱いので必ずカバーやシートをつけて使うのが前提となります。歌手がレコーディング等するとき、マイクの前に、金魚すくいのトイのようなものをおいているのを見たことのある方が多いと思いますが、あれは湿気防止のシートです。
このコンデンサーマイク。電池を入れ替えしなければならないため、電池切れが常に心配だったのですが(せっかく収録したのに電池が入っていなかった…という恐怖がついて回ります)、今やカメラから給電されたり、USBで常時給電できるようになったので、野外ロケをしない限り電池切れの心配はなくなりました。
というわけで、音声収録が絡むお仕事に適したマイクは、コンデンサーマイク! と覚えておいてください。
(2) ショットガンマイクか、ピンマイクか
ショットガンマイクとは、文字通りショットガンのような形をした尖ったマイクです。テレビのロケ現場などでよく見るタイプのマイクです。
ピンマイクは、講演の際などに胸元につけるネクタイピンのような小さなマイクです。
多くの場合、これらはすべてコンデンサーマイクですが、安価なピンマイクなどの中にはダイナミックマイクもあります。
通常、講義のときにはピンマイクを使用している私ですが、音声収録の場合にはショットガンマイクを使うべきだと思います。
理由は一つ。ショットガンマイクのほうが遥かに音質が良いからです。
自宅スタジオでは、コンデンサータイプのショットガンマイクをカメラ下に置いて(カメラには入らないようにしながら)使っております。
歩き回る講演の場合などには、ピンマイクの使用もやむを得ませんが、音質を重視するなら、ここはショットガンマイク一択です。
(3) マイク端子付きマイクか、USBタイプ付きマイクか
昔は、マイクの先端にはヘッドフォンと同じ形状の端子がついていて、これを穴(マイクジャック)につけて使うのが当たり前でした。パソコンに繋ぐ場合にも、パソコンのマイクジャックに挿せばよかったのです。
ところが、最近はマイク端子のないパソコンも増えてまいりました(MacBookもそのひとつです)。この場合には、USBで接続できるタイプのマイクを使えば問題ありません。最近では、USB接続型のマイクの数が増えてきましたので、値段や機能を見て選べばよいでしょう。マイク端子をUSB端子に変換するアダプターも2,000円以下で購入できるようにもなっています。
音声収録業務に携わる方は、ご自身の環境に合わせて、どちらかを選べばよいでしょう。
2.おすすめマイク・ブランド
AKGやSHUREといったブランドも魅力的ですが何しろお高い笑
実際には、オーディオテクニカ、RODE、Deityあたりの2万円前後のコンデンサー型ショットガンマイクを選んでおけば音質上・機能上、何ら問題ないと思います。USBタイプであれば、オーディオテクニカとRODEのどちらか、マイクジャック形式であれば、RODEかDeityがおすすめです。私は、Deityを使用しています。
ちなみに、これらのコピー品も優秀な商品が増えており、中華製7,000円のマイクも試してみましたが、音質的には何ら問題なく使うことができました。耐久性の問題が不明だったので、保険をかける意味で、結局Deity(メーカー品)に落ち着いた次第です。
3.録音問題
ただし、上記のようなマイクを使っても、Zoomの録画・録音機能を使うと音質は悪くなります。
これはZoomのディフォルトの仕様のためのようです。以前に、この件について私のウォールにとりあげたところ、何人かの友人がアドバイスをしてくださいました。
Zoomは会議で使うことが多いので、雑音をカットする機能がディフォルトでついているそうです。
友人たちのアドバイスに従い、このおせっかい機能(キーボードタッチ音を削減したり、エアコンノイズをとったり…)を外してみたのですが、まだ、音質的にはベストではありませんでした。
最終的に、Macのデフォルト・アプリであるQuickTimeプレーヤーの録画機能を使って撮影してみたのですが、同一のマイクを使った場合、このほうが全然音質がよいことが判明しました。いわゆる、ライブの、何の味付けもされていない音で取ることができました。
エアコンノイズのカットならば、マイク自体の低音ノイズカットスイッチを押してもいいでしょうし、編集アプリの中でイコライザーを調整することでも行うことはできます。Zoomのおせっかい機能は不要だと個人的には思います。
4.マイクとの距離
最後に一言。
どんなに優秀なマイクでも、口から遠いところに置いてしまったのでは意味がありません(宝の持ち腐れ)。
前述したショットガンマイクは、強力な指向性を持ちますが、それでも、近いに越したことはありません。悪くても30cm以内、できれば、口元〜15cm以内くらいがベストだと思います(^o^)