『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(ハンス・ロスリング (著), オーラ・ロスリング (著), アンナ・ロスリング・ロンランド (著), 上杉 周作 (翻訳), 関 美和 (翻訳)  日経BP (2019/1/11))読了!

噂通り大変おもしろかった。
もちろん、ビジネス書としては昨年最大のベストセラーですからね…とっくに読まれた方も多いでしょうm(_ _)m

どうも、最近は哲学関係の本ばかり読んでしまい、ビジネス書とは後回し。
縁遠くなっていたのですが、結果としては、先月呼んだ『ティール組織』同様、極めて有意義な読書でした。大満足!!

著者は感染症の専門家であり、その視点から書かれた本書は、コロナに苦しむ現在の地球を正しく理解するための最高の指南書なのではないかと思いました。

最初、行動経済学の話かなあ…と思いながら読み始めましたのですが、行動経済学(プロスペクト理論)のベストセラー本たちに大きく水をあけるおもしろさ!

机上の空論ではなく、生きるために必要な方法論だと感じました。

特に、

第4章 恐怖本能
第5章 過大視本能
第9章 犯人探し本能
第10章 焦り本能

の4つの章は、現在の国や自治体のコロナ政策、ならびに、それらを我々がどう受け取り、実際にどう行動するかに直結する内容でした。

一番感動したのは、11章でした。泣けた…

医学以外のさまざまな分野に対する見識の高さから、最初のうちは、主著者ハンス・ロスリング氏を、シュバイツァーとダブらせながら、読み進めましたが、途中から印象が変わっていきます。

現代のシュバイツァーどころではない…主著者ははるかに優れた人格者です(そういえば、白人至上主義者の枠からはずれることのできなかったシュバイツァーは現地アフリカでは人気ありませんものね)。

自分の失敗談をちょろっと入れてくる著者は多いですが、ロスリング氏の場合、致命的な自らの失敗談(医師としての判断ミスの話)を、包み隠さず、じゃんじゃん公開してくる…これは心に突き刺さります。

膵臓がんで惜しくも亡くなったロスリング氏。
もっともっと生きていていただきたかったなあ…
ご存命であれば、感染症の専門家として、公衆衛生学の権威として、今のコロナ騒ぎをどうご覧になるのか…ご意見を伺いたいどころか、全世界をリードしていただきたかったと思います。

若い人にも読んでほしいですし、私のような年齢の人間が読んでも感ずるところはあると思います。
何よりも、さまざまな分野の第一線で活躍している専門家の友人諸氏にもお勧めしたい一冊です(*^^*)

来週Zoomで開催予定の「名著を読む会」の課題図書。
今回もプレゼン担当なので、折角の機会と思い、がんばってレジュメを仕上げたいと思います。