「6時間くらいの講義であれば、プラスマイナス5分以内で終えることができますよ」

以前に、大学院時代の恩師に企業研修の代講依頼をいただき、打ち合わせの際に、このように話したら、たいへん驚かれました。

私のように、講義・講演・研修の機会が多いコンサルタントにとって、

「時間厳守」

というのは、実は、大切なノウハウなのです。

一番考慮しなければならないのは、企業研修や企業講演などで、私の後に、講演者がいる場合です。

「10分くらい伸びてもいいだろう」

と考えると、あとで、たいへんなトラブルになる可能性があります。

「どうして、前の講師は時間が伸びたんだ! 私の時間が減るじゃないか」

後の時間の担当講師に、こんなふうに事務局に怒鳴りこまれたりすれば、当然、矛先は時間超過した私に向けられてしまいます。悪いのは、私ですから、当然です。

何人かの講演者でリレー講演をする場合など、一人ひとりが5分ずつ延長すると、5人で25分の延長となり、後の時間の講演者ほど話す時間が短くなってしまいますし、予定していた内容の話を聴くことができなくなった聞き手の皆さんにも失礼です。会の主催者にも多大なご迷惑をかけることになります。

<次回に続く>