6回に渡って書き綴ってまいりました「言語創世の夢」。
今回が最終回です。

これまで、

① 名詞の性の非導入
② 冠詞の廃止
③ 名詞・代名詞の格の廃止
④ 三単現の「 -(e)s」の廃止
⑤ 不規則動詞の廃止
⑥ 「助動詞主義」による時制の統一
⑦ 疑問文・否定文の合理化

についてご提案申し上げてきたのですが…
きりがないので、妄想はこのへんで終わりにします笑

最初のうちは、

「奇跡か? それくらい俺にも起こせる」

とったアミバ(『北斗の拳』)のようなつもりで書き始めましたが、不勉強な私が、いやはや言語の世界を語るなど、100万年くらい早かったようです。

真面目に感想を述べれば、滅んでしまったラテン語は残念でしたが、現行の言語の中では英語はやはり合理的な言語であることを再確認できました。

これだけ合理的な言語なのにモノにできないのは悔しいものです。残りの人生でちゃんと勉強します!

前述したラテン語(冠詞が存在せず、不規則動詞も少ない)にも興味が湧いてきました。いずれ、研究してみたいです。

一方、英語の非合理な部分を目にすると、

「今や世界言語になった英語。ネイティブだけのものではない。『非ネイティブ主導の言語改革』を立ち上げてもいいのでは?」

とも思ったりしました。
無理なんでしょうけどね。
実現すれば、史上初の「Language Revolution」 の実現になるんだけどなあ。国連主導でやってくれないかなあ…

愚痴はここまで。
旧約聖書によれば、バベルの塔を作って天を目指した人類に対する罰として、神は「言葉を乱し、そこから人を全地に散らされた」といいます(「創世記」11章1-9節)。
やはり、言葉をコントロールできるのは「神(本物の)」のみに許された所業なのでしょう。
もしかして、コンピュータ言語とか考えている方は、こういう発想をしていらっしゃるのだろうか。

コンピュータと話すわけだから、言語の論理性というのはとてつもなく高いレベルが要求されるわけだろうし。
曖昧な表現は許されないだろうし。

もっとも、AIの時代。そういった曖昧な言葉も理解されつつある時代なのかもしれませんね。
関係者の方がいたら、是非、このあたりのお話を伺いたいものです。
言語学…奥、深そうですね〜

(「創世記」11章1-9節)
全ての地は、同じ言葉と同じ言語を用いていた。東の方から移動した人々は、シンアルの地の平原に至り、そこに住みついた。そして、「さあ、煉瓦を作ろう。火で焼こう」と言い合った。彼らは石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを用いた。そして、言った、「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」。主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、そして仰せられた、「なるほど、彼らは一つの民で、同じ言葉を話している。この業は彼らの行いの始まりだが、おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」。主はそこから全ての地に人を散らされたので。彼らは街づくりを取りやめた。その為に、この街はバベルと名付けられた。主がそこで、全地の言葉を乱し、そこから人を全地に散らされたからである。

<この稿終わり>