これも本来はビジネス本ではありません。
しかし、「働き方改革」が叫ばれ、人の育成の下が問われる現在、大変参考になる一冊だと思います。
子育てが終わってから読んだので、しまった!と思う部分が多々ございましたが、それはそれ!と割り切って、これからの人材育成のための糧にしていきたいと思います。
本書の特徴は、教育書としては初となる行動経済学に基づく理論ありきで書かれているという点につきます。
道徳的観点による「優等生的な教育論」ではありません。
ですから、最初にずばり「お金持ちのほうが東大に入る確率が高い」といった、耳障りな「観測結果」から切り込んでいきます。
「優等生的な親の常識」を覆していく「観測結果」のオンパレードに小気味よさを感じます。
同時に、わが国の教育論がいかに統計学的には何ら後ろ盾のない机上の空論であり、仮説であり、n=1の理論であることを再確認することができます。
Facebookに自らの教育論を展開したことのある私としては赤面の至りでした。
全国の親御さん、教育関係者のみならず、企業の人事担当者、人事系コンサルタントの皆様、そして、経営者や管理者といったマネジメントの皆さんに、是非読んでいただきたい一冊です。
続編や反論書、類書がもっと出てほしい分野です。