最適な手帳のサイズについて述べている書籍もかなりあります。特に進められているのは、大きなサイズの手帳を勧めるというもの。
たしかに、大きなサイズの手帳には、さまざまなことを書き込むことができます。今後のスケジュールだけではなく、当日気づいたメモを書き込むこともできますし、日記のような使い方をすることもできます。
典型的なものは、デイリータイプの手帳。片面または見開きで「1日」ごとにページが割り振られているタイプの手帳です。確かに便利な手帳ですが、「大きい」ということは「厚い」「重い」ということとほぼ同義です。ジャケットのポケットには入りません。
また、スケジュール管理に手帳を用い、アイディアや打ち合わせ時の備忘録を別途ノートに記入する週間のある方にとって、記入できる欄に制限がある上記のようなデイリータイプの手帳というのは、「帯に短し、たすきに長し」となります。
筆者は、2時間くらいの講演を聞く場合、かなりのメモをとります。パソコンでのメモが許される環境であれば、A4用紙に換算して、2時間で3〜4ページ以上のメモをとります。パソコンの使用がはばかられるような環境であれば、紙にメモをとることになりますが、その場合でも、2時間でA4用紙2ページくらいのメモをとります。
この場合、デイリータイプの手帳は、たとえ、A4で2ページ見開きのタイプであったとしても、とても足りるものではありません。
スケジュール帳としての機能とメモ帳としての機能が独立したタイプの手帳のほうが都合よく、スケジュール帳はコンパクトないつでもどこでも閲覧・書き込みのできるサイズのもの、メモ帳は、大学ノートをはじめとするフリースペースを前提としたもののほうが便利です。
定型的な仕事が多く、スケジュール欄もメモ欄もさほど必要としていない方にとっても、「大きなサイズの手帳」は適切なサイズとはいえません。見開きで1ヶ月の予定が書き込め、常に一覧できる、マンスリータイプの手帳が1つあれば足ります。
私は決して、見開きデイリータイプの手帳、大きなサイズの手帳を否定しているわけではありません。このサイズがぴったり合う行動スタイルの方、業務スタイルの方はいらっしゃいます。現に、共同執筆者の原氏は、見開きデイリータイプの手帳を愛用されています。彼の行動スタイル、そして、業務スタイルには、ぴったりフィットしているわけです。
問題は、一概に「手帳サイズは◯◯が最適です」と論じ、そのサイズのメリットのみを挙げている指南書のほうにあります。
「最適な手帳サイズは人それぞれ。惑わされることなく、自分に適したサイズを選ぶべきである。行動スタイル・業務スタイルに基づき、もっとも適した手帳のタイプを選ぶのが望ましいだろう」
という方法のほうがスタンダードではないでしょうか。具体的な、行動スタイル別・業務スタイル別の手帳の選び方については、方法についてまとめてあります。