先般、需要創造を阻む最大の原因は「専門家気質」ではないかと申し上げました。
私自身、この状態に陥ることが多く、自戒の念を込めて、投稿させていただきました。
この現象をモデル化するとこうなります。
各専門家は自分の領域(テリトリー、ドメイン)を持っています。いわゆる「なわばり」です。
あ、今回は、「業務内容上・業種上のなわばり」がテーマです。
「うちは工務店、隣の会社は電気工事店」
「弊社はメーカー、御社は流通業」
「私は人事系コンサルタント、彼はIT系コンサルタント」
といったイメージです。
同業者間の「地理的ななわばり」の話ではありません。
専門家は、誰しも、なわばりの内側の業務は快くお引き受けします。
「私にお任せください」
「大船に乗ったつもりでご安心くださいね」
しかし、なわばりの外側の仕事の依頼があれば、
「あ、それは私の専門外。別な方にお願いして下さい」
となるのです。
若手や経験の短い方はそれをあまりやらない。
なぜなら、自らのなわばりがまだはっきりと確定していないので笑
「内側」「外側」という概念がまだないんですよね。
これが、年配や経験が長い方ほど、縄張り意識が強くなるわけです(私もそう)。
このなわばりが、きっちりとした六角形の
「ハニカム構造」
のように隙間なく分離していれば、一種の
「社会的完全分業」
が可能になります。
いささか官僚主義の匂いもしますが、
「餅は餅屋」
という諺の通り、それなりに合理的です。
しかし、実際には、各々の専門家のなわばりは、六角形のハニカムの形はしておらず、
「円」
の形をしているわけです。
円同士をどんなにギュッとくっつけても、隙間が生じます。