つい数十年前まで、数学の世界には、「四色問題」という

「地図にまつわる未解決問題」

があった。

「いかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるように塗るには4色あれば十分だ」

という予想を誰も証明できなかったのだ。

この場合、飛び地のような領域は考えない。飛び地を含むと、理論上は何色あっても足りなくなる。実際の行政区分で飛び地があったとしても飛び地とその飛び地の所属する本国は同一視せず、別の色であってもよいと考える。

この問題。実のところ、結構長い歴史を持っている。
一般には、1852年にガスリーが弟に質問したのを発端に広まったとされている。
その後、20世紀前半までの間にさまざまな数学者が証明を試みたが、ことごとく失敗に終わっている。
素人目には簡単に証明できそうなのだが、どんな天才の挑戦もはねのけてきた難問だったのだ。

1976年にアッペルとハーケンコンピュータを利用して、四色問題を証明した。
人間が紙と鉛筆で行った証明ではなく、コンピュータの力を借りての証明だったため、

「シリコンによる証明」

と揶揄されることもある。
実際、アッペルとハーケンの証明は、地図を2,000近いパターンに分けての証明であり、しかも、あまりに複雑なプログラムによる証明だったため、他人による検証が困難であることや、ハードウェアおよびプログラムのバグの可能性が指摘されたため、疑問視する声もあった。

その後、プログラムの改良や再証明が進められ、現在、四色問題は完全に解決されたと考えられている。
証明されたため、最近では、四色定理と呼ばれることも多い。

四色定理は携帯電話の基地局配置にも応用されている重要な定理である。
周波数の同じ電波同士で混信してしまうある種の携帯電話システムの場合、隣接する基地局同士に同一の周波数を割り当てないような配慮がなされている。

時代はうつり…
今や世界中の人間を悩ませている

「地図にまつわる未解決問題}

といえば、もはや四色問題ではない。

多くの方にとって、

「iOSのお馬鹿地図問題」

こそが、最大の未解決問題である。
四色定理をいとも簡単に証明したコンピュータも、この問題はまだしばらく解決できそうにない。

初めての土地、初めての訪問先において、力強い味方だったiPhoneは今やからっきしの役立たず。
牙を抜かれた狼、はたまた、芯の抜かれた林檎とでもいうべきか。
ワイルズでも、ペレルマンでも、望月先生でもいい。
だれでもいいから、この問題を一刻も早く解決していただきたい。
代替アプリで自分をごまかすのはもう飽きた笑

おお、そうだ!
次の総選挙でこの問題を解決すると「公約」を掲げる政党は出てこないだろうか。
そうすれば、iPhoneユーザーはこぞって一票を投じるだろうし、勝利は揺るぎないものになると思うのだが。