神・アプリiMovieと出会ってから、私の講義動画配信速度は文字通り、

「3倍」

になりました。

本当に、私のためにアップルが開発してくれたのではないか…と思うとてつもないアプリです笑
同じ、iMovieであっても、Mac版はイマイチ使いにくく、アップルストアで個人レッスンを受けた後も、ちょっとしっくり来ませんでした。私にはちょっと「過剰機能」なようです。

「物足りなかったら、ファイナルカットプロに移行してはいかがですか」

と進めてくれる友人も多いのですが、私の頭の中には次の2つの方程式がありまして、

① 機能性方程式 ファイナルカットプロ>Mac版iMovie>iOS版iMovie
② 簡便性方程式 ファイナルカットプロ<Mac版iMovie<iOS版iMovie

私には、さしたる高機能は必要ないので、②が優先され、iOS版iMovieこそが神・アプリであり、現在の私の手となり、足となってくれているのです。

最近、友人に、

「竹永さん、確かに講義動画の配信はしたいんだけど、なかなかそうはいかないですよ。私の場合、会場の「間」とか「雰囲気」を読みながら、講義・講演内容を変更し、臨機応変に対応していくスタイルをとっています。ですから、ギャラリーのいないスタジオ的な場所で、スマフォをビデオカメラ替わりに使って、それに向かって話し続けるのは、難しいと思うのです」

と言われました。

なるほど、おっしゃるとおり。
簡単ではないかもしれません。
ただし、

① 会場でギャラリーの顔色を見ながら、臨機応変に対応する
② ギャラリーのいないスマフォ(カメラ)に向かって、延々と収録する

…①②を比べて、必ずしも、②が難しいとはいえません。

その友人の場合は、①に慣れてしまっているので、②がしんどく感じるのです(①に慣れている事自体、相当な上級者でいらっしゃいます)。

これは、「自炊(書籍の電子化)」を友人に勧めても、「本は紙で読みたい」と断られる場合といっしょです。
習慣の問題なのです。

しゃべることが全く素人の人であれば、こう答えるかもしれません。

「どちらも難しいですが、①のほうが、より難易度が高いと思います。やり直しはきかないし、人の視線は怖いし…」

そうなのです。
②は、何度でも撮り直しが聴きますから、自分で気に入ったものができるまで、「世に出す」必要はないのです。

私が、細かく時間を区切って収録した講義動画映像を編集でつないでもらった完パケ映像を見ると、嫌な気持ちになるのはこのためです。

「とても真似できない」

…当たり前です。
6時間一度も噛むことなく、6時間一度も間違った内容を話さず、6時間一度も言い直しをせずに、よどみなく講義ができる…

まるで、「超人」です笑

もっとも、それはライブ講義(生講義)での話であり、実際には、「撮り直し」ができるわけですから、録画であれば、私たちは誰もがその「超人」に近づくことができるわけです。

これは、講義動画配信のとても大きな強みです。

ところで。
このところ、講義動画配信について、いろいろ書いているので、今日は、夕方から、いろいろな業界の講義動画について、無作為に拝聴してみました。

高校受験業界、大学受験業界、資格の学校の業界、料理教室、話し方教室、その他ミニ講演、その他プロモ講義…

この中で傑出して、レベルが高いのが、高校・大学受験業界の先生方。
特に有名な予備校の講師陣。
これはうまい。なかなかのクオリティです。
それだけ競争が厳しいのでしょうね。たいしたものです。ベンチマークする価値がありますね。

ところが、それ以外の業界となると、

「?!?」

目を疑いたくなる映像があまりにも多い。

私のように

「一人撮り」

をする人間はあまりいませんから、多くの方は、カメラマン付きで撮っていらっしゃる。

場合によっては、ディレクター付きでしょう。

それで、このクオリティの低さとは… 予想以上にひどいものです。

小さな個人事務所がやっているのならば、一種やむを得ない場合もあるのでしょうが、全国的に名前が知られている会社が配信している講義動画のレベルがこの程度とは、驚きました。

製品があまり売れている場合に、それを抑制するマーケティングを、「ディマーケティング」といいますが、ディマーケティングに該当する映像が、あまりにも多いのです。

特に、予備校や資格の学校の先生以外の場合、ホワイトボードを背にして、教壇に立って話をするのは、やめたほうがいいでしょう。
背景と設定だけプロっぽいのに、喋りはド素人…となってしまっては、見ている方としては、ガッカリ感が大きい。
負のイメージだけが残ってしまいます。
それよりも、ご自分の慣れ親しんだオフィスで撮ったり、さらにリラックスしたムードになるなら、会議室や社員食堂などをお借りして撮ったほうが、よほど自然に映ります。

これは私も反省なのですが、どの業界も、ホワイトボードを背にしたスタイル一辺倒というのも、見ているうちに、食傷気味になります。
もっと、自由に、フレキシブルに、イノベーティブに講義動画収録を考えていただきたいのです。

「いつか、穂高か槍ヶ岳の山頂から『日本一短い経営学』を撮りたいんですよ」

と、映像プロデューサーの千種伸彰氏に話した時に、

「それはいいですよ。その発想、「いつでもどこからでも」はコンセプトがすばらしい」

と褒めていただいたことがあります。

実際に、自宅のリビング、自宅のダイニング、会社の会議室・教室、クライアント企業の会議室・セミナールーム、喫茶店、レストラン、ファストフード、街中…と、このところ、私の収録場所はどんどん広がっています


今年こそ、山のてっぺんで収録したいものです。

もっとも、いつぞや、槍ヶ岳を占拠してCMを撮ったメーカーが、マスコミを賑わしたことがありますから、そういう社会に迷惑をかける行為は厳に慎もうと誓っておりますm(_ _)m

で、
これらの映像を見ていて思ったのですが、先日、

「世の中には粗悪品のセミナーが多すぎる。コンテンツをもっと考えるべきだ」

とこのブログで申し上げたのですが、その考え方をそっくり講義動画の配信に当てはめますと、

「世の中には粗悪品の講義動画配信が多すぎる。ちゃんと撮れば、強力なプロモーション・ツール足りえる」

のではないか?…と思えるようになったのです。

例えば、講義動画配信に特化した業界横断研究会をたちあげてはどうでしょうか。

セールスマン、販促担当者、コンサルタント、大学の教員、予備校講師、塾講師、英会話教室講師、資格の学校の講師…

名付けて、

「講義動画配信倶楽部」

講義という言葉を便宜上使いますが、ここでは、商品説明から講演まで広く含む概念とお考えください。

かなり辛口に進めます。馴れ合いとか、「ごっこ」的言動は極力排除。ガチンコでいきましょう。

真剣に、講義動画の配信について研究し、相互啓発しながら、実践的な講義動画の撮り方を学ぶというコンセプトです。

「お客さんが集まる動画を撮れるようになろう」

がビジョンであり、ミッションです。

道具は、できれば、iPhoneかiPad、あるいは、iPodtouchで統一したいです。
なぜかというと、神・アプリであるiMovieが使えるからです。
あ、もちろん、ホワイトボードも必携ですね。

ちょっと、イメージを書きだしてみましょう…

 

<研究会の流れ>

1.予習
ーーーーー
会員向けに私の方から、方法論についての動画をアップするので、視聴してきて頂きます。

2.当日
ーーーーー
(1) 事例研究
世の中のよい講義動画、悪い講義動画の視聴。気づいたことについての意見交換。ダメ出し、よいしょ…なんでも来い!です。

(2) 今日のポイント
講義動画収録上のノウハウ、ワンポイント・アドバイスを私から解説。私でなくても良いのですが笑、当面は発起人がやるということでm(_ _)m

(3) 演習
① シナリオ作成 即興で、各自3分程度話すべきこと(その日学んだことや感想)をその場でまとめます
② シナリオ公開 同日の参加者にシナリオの内容を公開し、意見を仰ぎます
③ 各自リハーサル 部屋の隅にわかれて、各自リハーサルです
④ 各自本番 各自、カメラ(といってもiPhone等ですが)を設置して、一斉に本番取り。お互いに音は遮断できませんが、よしとしましょう。気に入らなければ、後ほど、ご自身で撮り直しても良いですよね。
⑤ 各自編集 その場で、とった映像を編集します。必要に応じて静止画も収録。iMovieで即時編集してしまいましょう。
⑥ 各自アップロード 終わった方からアップロード。回線の関係でできなければ、ご自宅かオフィスでm(_ _)m

3.フォロー
ーーーーーーー
上記研究会の参加者は、Facebook上に部屋(秘密のグループ)を作り、都度、自分の作品をアップしては、私ならびに他の会員からの講評を交換しあい、それにしたがって、シナリオや演出を修正、YouTube上の自分のチャンネルに、自由に講義動画をアップロードします。つまり、集団校正を行うわけです。

 

 

いかがでしょうか。
何度か繰り返せば、相当な腕になるでしょうし、何よりも「3」による相互情報交換辛口でやりましょう)が価値があると思います。

世の中の粗悪品を冷笑しつつ、

「本物の講義動画配信はかくあるべし」

という理想を示す…社会的にも価値のある企画だと思います。

 

友人の公認会計士にして、雑サロ仲間の李顕史氏によれば、

「現在は、空前のセミナーブーム」

だとのことです。

セミナー業界レッドオーシャ状態、ですが、講義講義配信業界ブルーオーシャン状態。

いかがでしょう。
どちらで戦ったほうが有利か、ここまで読んでいただくと、自明の理ですよね。