Facebookで知り合った友人たちの「ランナー比率」が高いのには本当に驚きます。
いろいろな方に「いっしょに走りませんか」「いっしょにがんばりましょうよ」と誘いを受けます。
コンサルタントや士業の方々、ビジネスマン・ビジネス・ウーマンの諸氏…
皆さん、すごいです。
「人はなぜ走りたがるのか?」
昨日の『経営・ビジネスに関する名著を読む会』(『名著を読む会』)の懇親会中に意外なことに気づきました。
人の「走りたい欲求」は、マズローの5段階欲求説を用いるときっちりと説明することができます。
マズローの示した5段階の欲求とは、次の通り。
第1段階:生理的欲求
第2段階:安全欲求
第3段階:社会的欲求(愛と親和の欲求)
第4段階:自我の欲求(自尊の欲求)
第5段階:自己実現欲求
これによれば、人は第1段階の生理的欲求さえ満たされれば、第2〜第5のすべての段階において、
「走りたい」
と思っても不思議ではないのです。
第2段階の安全欲求とは、
「健康でいたい」
「安全に暮らしたい」
といった欲求です。メタボリック・シンドロームという言葉が定着した昨今、健康の基本は運動にあります。
それも、適度な有酸素運動が一番。で、もっとも手っ取り早く、誰でも始められるのは
「走ること」
となるわけです。
第3段階の社会的欲求(愛と親和の欲求)とは、
「組織に所属していたい」
「友達がほしい」
「コミュニケーションをとりたい」
といった欲求です。いわば、孤独から離脱したいという欲求です。
「走る」
という行為そのものを求める人もいますが、
「誰かといっしょに走りたい」
「誰かといっしょなら続けられそうだ」
「走るとことで友達の輪を広げたい」
「走った後のビールをいっしょに楽しみたい」
といった欲求を持っている方もいらっしゃいます。
これらの欲求はすべて、第3段階の欲求で説明できます。
続いて第4段階。自我の欲求(自尊の欲求)です。
「ほめられたい」
「認められたい」
というのがこの欲求。
「1年も続けているなんてすごいですね」
「痩せたね。精悍な顔つきになった。やっぱり、ランニングは効果があるね」
「すごい。1年前とは見違えるほどだね。きれいになったよ」
適度なスポーツは健康によいだけでなく、顔つきや体つき、はては、精神的な自信にまでつながります。
そして、そのことを人に褒められれば、うれしいものです。
このように、第4段階欲求が人を
「皇居周辺」
に駆り立てる場合もあるわけです。
そして、第5段階。自己実現の欲求です。
私は、時々、山に登るのですが、
あ、以下は一昨年、南アルプスで撮った写真です。クリックすると大きくなります。
写真に写っているのは、太陽(夕日)ではありません。満月です。半分沈んだ満月です。つまり、明け方の写真です。
「どうして、山に登るのですか?」
と問われます。
まだまだ
「そこに山があるからです」
という境地にはないものの、やっぱりまた登ってしまう…
不思議なものです。
格好いい言葉でいえば、
「自分のために登っている」
だけです。純粋に、山から見た眺めと星空が好きなのです。それだけ。それだけです。
きっと、
「走る」
ことを純粋に好きな方も大勢いらっしゃるのでしょうね。
この欲求で走っている方がとても多いと思います。
私はまだまだこの段階にないので、第2段階の欲求からのスタートです。
これから走ってきます。
相撲で言えば、
「初日」
ですな。行ってきます。
今日の結論。
今、なぜ、走る人が増えているか。
それは、「走る」という行為が、マズローのいう第2〜と第5段階のどの欲求をも満たしてくれる行為だからである。