2日間にわたる四日市ポーター研修も終了!
参加された皆様、本当にありがとうございました。またまた、実りある研修で、講師である私自身、いろいろ勉強させていただきました。

これから東京に移動します。

さてさて。
以前に、図解改善士・多部田憲彦氏と「雑談」させていただいた後に、私は、当ブログにおいて、図解化の2つの効果(①シャドウイング効果、②シグナリング効果)についてアップしたことがあります。

ビジネス雑談サロン 図解とホワイトボードが日本を変える

今もこの気持ちは変わりません。

もっとも、図解化が特に「ホワイトボードへの図解化」に限定した場合には、更に大きな効果があるのではないかと思います。

この場合、ホワイトボードに記入する情報は、図解がベストですが、何らかの事情で図を描けなくても(図解化できなくても)、文字や箇条書きでもやっぱり、書いたほうがよいと思います。
落書きにようなメモでも事足りること、しばしばです。
とにかく、ホワイトボードに「書く」または「描く」ことで、以下のような3つの効果が生じます。

① 脳内整理効果
なんでもそうですが、頭の中にある限り、アイディアはすべて「暗黙知」です。
「人に伝えることができないから『暗黙知』だ」という意味ではありません。
考えている本人にとっても、漠然と考えている状態のままでは、そのアイディアは『暗黙知』なのです。
「書く」または「描く」ことにより、アイディアは、具体化し、固定化し、この過程を通じて、はじめて「自分のための形式知化」が実現します。

この過程を「脳内整理」と呼びましょう。
脳内整理には、ホワイトボードが一番です。
いくらでも書き直しできますし、意識的にカメラに収めない限り

「証拠」

が消えます(証拠消滅性)(笑)。

紙ではダメなのです。
紙にペンで書くと、描き直しができないですし(消すとぐちゃぐちゃになります)、「証拠」が残ります。
ですから、気取った言葉、よい表現、かっこいい言い回し、正しい情報等を意識してしまい、それが、思考を始める際の

「摩擦係数(思考摩擦係数)」

を高めてしまいます。

鉛筆で書けば消えますが、消しゴムで消すためには、けっこう力が入ります。エネルギーが必要です。
たとえ、鉛筆で書いたとしても、紙の場合、ホワイトボードのように一瞬でサッと拭き取れる気軽さはありません。
ですから、やっぱり、ホワイトボードがベストなのです。

② 伝達効率向上効果
どんな発表でもそうですが、言葉で聞く限り、情報は「フロー(流れ)」です。
聞いたそばから消えていきます。
新しいアイディアや新規の概念について、私たちがどんなに耳をすまして傾聴したとしても、すべての情報を正確にキャッチアップすることはできまえん。

”言葉は流れる川の如し”

FacebookのウォールやTwitterのタイムラインと同じで、どんどん消えていく儚いものです。
普段の会話ではそれで良いのですが、討議をするときには、この状態は好ましくありません。情報を固定化していく、

「空中言語固定装置」

みたいなものが必要になります(漫画「キューティーハニー」に登場する架空の装置「空中元素固定装置」ではない。念のため)。

空中に行き交う言語をキャッチアップし、固定化する…そんな夢のようなシステムや道具が不可欠なのです。

これまでも、人の話をキャッチアップし、固定化する装置はありました。
古くは、メモ、ノートであり、最近であれば、ボイスレコーダーです。

しかし、これらはあくまでも、他人が発した言葉を、受信者である自分のために固定化することを目的とした道具です。
重要なのは、この逆。発信者の言葉を以下に「固定化」するか…という点です。

発信者たる自分が、最初から情報を発信する際に、言葉を固定化してあげれば、

「彼はたいへん親切なプレゼンターだ」

ということになります。
日本白板党の発起人であり、図解改善士・多部田憲彦氏の提唱する「図解化」の意味合いもここにあります。

この役割を果たしてきたのが、古くは、レジュメ、最近では、PowerPointです。
ビデオやテレビでおなじみなのは、話し手の言葉にテロップを添付するという方法です。
いずれも、発信者の言葉を事前に固定化しておくという方法です。

しかし、これには致命的な問題があります。

「即時性がない」

という点です。
これらは、すべて、予め用意された文字情報・視覚情報であり、話し手がその場で思いついたことを「固定化」するのには一切貢献してくれません。

これに対応できるのは、書画カメラとホワイトボードくらいのものです。
大規模な講演会やセミナーであれば、両方用意されているかもしれません。しかし、普段は書画カメラを持ち歩くことはできません。
この記事をお読みになっている方のうち、何割の方が書画カメラをお持ちでしょうか? 何人の方が書画カメラを実際にお使いになったことがあるでしょうか?

「持っていない」
「使ったことがない」

という方が大半でしょう。
私ですら、書画カメラは個人所有しておりません(そのうち、買おうとは思っていますが笑)。

というわけで、「空中言語固定装置」の役割を果たしてくれる道具としての選択肢は、ホワイトボードに絞られるわけです。

結論。
いつでもどこでも使える可能性がある最良にして唯一の

「空中言語固定装置」

とは、ずばり、

「ホワイトボード」

なのです。

自分の話す内容をホワイトボードに

「サッ」

と書き(または描き)、発言することができる…
これは、聞き手(受信者)にとってたいへんありがたい道具です。

私が現在アップしている動画

「日本一短い経営学」
 

では、大半はホワイトボードを活用していますが、時折、事情により、ホワイトボードなしで収録しているものもあります。
話し手が「常に」ホワイトボードを携帯し、言語を固定し、情報を発信すれば、討議の際の伝達効率は飛躍的に高まります。

「ホワイトボードを携帯していない恐いってことを今日何度も言っておきます」

ということです 笑

③ 討議時間短縮効果
②の派生効果です。情報の伝達効率が高まりますから、討議中の、聞き直し、話し直しが激減します。
結果として、討議時間はぐっと短縮でき、会議時間もプレゼンの時間もみじかくてすみます。

いかがでしたでしょうか。
まさに、ホワイトボード様様。
会議室に飾っておくだけではもったいない。
Sonyがその昔、「Walkman」という偉大な発明により

「音楽を持って外に出よう」

という文化を創り上げたように、今度は、私たちの手で(コクヨさんの手を借りながら)、

「ホワイトボードを持って外に出よう」

という文化を創造しいきたいと思います。