MacBookAirを使い始めて2週間が経過。だいぶん慣れてきました。
MacBookAirを持って、営業や講演でクライアント先を訪れると、必ず
「お、新型ですね」
と声をかけていただけます。
今回私が購入したのは11インチのタイプ。史上最軽量のMacです。現在も寝床で、うつ伏せになりながら、同機を用いて仕事をしています。気分転換にブログを更新!
なにしろ、蓋をあければ、その瞬間から仕事ができるわけですから、枕元に置いておくと、究極のシームレス環境が実現するのです。
クライアントのご担当や、ビジネス・スクールの受講生の方々から、
「竹永さんは仕事とプライベートを分けたいと思われないのですか」
とよく尋ねられますが、
「思いません。むしろ、両者がどこまでシームレスになるか、そればかりを考えています」
と即答します。別に、仕事熱心だと主張したいわけではありません。一旦頭が完全にプライベートになり、そこから仕事に頭を切り替えることのほうがはるかに負担なのです。精神的に微弱電流・待機電流を流しておいたほうが楽なのです。
「負担を小さく。境目を小さく」
が私のモットー。ですから、たとえば、
「寝床にパソコン」
はもう10年以上続いている習慣なのです。
私のクライアント企業のご担当(人事部や営業部の方)の中には、ITや仕事道具、手帳やスマートフォン、時間の使い方には“うるさい”方が多いので、仕事後に一杯ごいっしょさせていだくと、必ずと言ってよいほど、これらの話で花が咲きます。
「快適に仕事を進める」
ということは、結局、
「迅速に仕事を進める」
ということにつながりますので、多くの方が効率やスピードアップのための方法論に興味を持たれるのでしょう。この時のキーワードは、情報の同期化です。
Gmeil、GCalendar、Dropbox、Evernoteのおかげで、パソコンやスマートフォンなど各端末間の基本的な情報の同期はずいぶんと楽になりました。お陰さまで、プライベート・タイムでも、隙間時間を用いて、仕事ができるようになりました。
端末さえあれば、ストレスなく、「さっきの続き」ができるようになったからです。この点、4つのソフトのうち、Evernoteの存在感は特に大きく感じます。
また、端末自体が水没・破損などの不慮の事故に遭遇しても、さほど落ち込む時代ではなくなりました(物理的な損害に対する落胆はあるものの、情報そのものが滅失毀損してしまうわけではありませんので)。
新型MacBookAirなど少ストレス・高機能・軽量端末の登場は、Evernoteなど、前述したさまざまなソフトの進化と相まって、大きなSynergyが生じています。
もっとも、巷で流行りのクラウド・コンピューティングが本格化するのは、まだまだ先のこと。
一番のネックは現行の携帯電話回線(3G回線)という「細い糸」の問題です。現在のような巨大データを自由にやりとりするには、まだまだ回線速度が遅すぎるのです。
次世代あるいはさらにそのまた次世代の携帯電話では、「細い糸」問題は徐々に改善するのでしょうが、扱いたい情報量も増加し続けますから、永久にいたちごっこなのかもしれません。
また、WiMAXなどの次世代公衆ブロードバンドサービスがようやく実用化されてきましたから、こちらの普及・進化のほうが速いかもしれません。そうなれば、電話回線という概念自体が消滅する時代がくるかもしれません。Skypeの進化版で、会話すれば携帯電話(という概念)は不要になります。
「細い糸」すなわち、3G回線にできるだけ頼らないようにするため、私は個人的にDropboxの100GB(有料サービス)に加入し、端末間の情報を可能なかぎり同期化し、これにより、ずいぶん仕事は楽になりました(費用は毎月約2,000円。最近は、円高ですからもうちょっと安くあがっています)。
しかし、これとて、今時、「たったの100GB」です。膨大な量の自分の講義や講演のデータ(巨大な動画データ)、肥大化するPowerPointスライドのデータ、Canon EOS 5Dmark2で撮影する1枚2,000万画素の静止画データ(RAW)に常時ストレスなくアクセスするためには、まだまだ不足です。
私自身が、前述したいたちごっこの先頭を走っているかもしれません。常々、「5TBで月々1,000円」くらいのサービスが早く出てこないかな…などと贅沢なことを考えています。
私が、現在、最も注目している製品・サービスが、Pogoplugです。
Pogoplugは、アメリカのCloudEngines社が開発したLinuxベースのNASアダプタです。
USB接続のハードディスクをストレージとして利用できる点に特徴があり、ファイル転送サービスとしての使い方もできますし、WAN経由でローカルドライブとして利用することができます。iPhoneやAndoroidなど各種スマートフォンからもアクセスできます。
設定もかなり簡単なようで、通常のNASに比べると敷居が低いです。何よりも、自宅やオフィスにPogoplugを設置してしまえば、Dropboxに毎月・毎年「年貢」を収めなくても、クラウド・コンピューティングが自己完結してしまうという点に最大のメリットがあります。プライベート・クラウドあるいはパーソナル・クラウドと呼ばれる新しい概念です。
ストレージも自分の必要に応じてUSBハードディスクを買い足せば良いわけですから、5TBだろうが、10TBだろうが、自由に増やすことができます。
初期投資費用はおよそ1万円(Pogoplug本体価格)。円高ですから、もっとお安く手に入れることもできそうです。ハードディスクは今使っているものをそのまま流用できます。
ところが、日本にはまだ正式な輸入代理店が存在せず、一説には、日本の電波法に抵触する仕様とのこと。これでは安心して使うことができません。また、CloudEngines社が倒産してしまえば、サービスそのものが停止してしまうおそれもあります。
「時期尚早」
が、現時点での私の結論。残念ながら、夢のパーソナル・クラウドの実現まではあと1〜2年かかりそうです。
㈱経営教育総合研究所 竹永 亮(takenaga@eiseikanri.biz ご意見・ご感想はこちらへ)