罰則を使って、あいさつの効用を訴えることもできます。
通常、あいさつ革命における罰則の導入と聞けば、「あいさつしないと罰金100円」のような方法を思い浮かべるものです。しかし、まったく逆転の発想をするとどうなるでしょうか。
【設例】
あいさつがなかなか徹底できないA社では、ある営業日にゲームを行った。ゲームのルールは、「今日一日、あいさつをしたら罰金100円」というものであった。スタートして3時間経過した昼ごろ、部下たちのほうからマネジャーに「あいさつしないと仕事になりません。あいさつがビジネスに不可欠であることはよくわかりましたので、ゲームを終了し、通常業務に戻してください」と申し出てきた。それ以降、A社ではあいさつが大きく問題視されることはなくなった。
設例の企業では、マネジャーが機転を利かせて、あいさつの重要性を認識するためにあえて、罰則という外発的動機づけを活用しています。転じて、部下たちの心に「あいさつは誰がなんと言おうと必要なものだ」という価値観を醸成し、見事に内発的動機づけに転換しています。
なお、A社では、新人が入ってきたときには、都度、個別に罰則ゲームを行っています。同じように音を上げた瞬間にゲームは終了です。
マネジャーは、「やっぱりあいさつは大切だよね」で締め、新人を納得させるのです。
このように、関係性の向上策は、すべて直接的向上法です。
㈱経営教育総合研究所 竹永 亮(takenaga@eiseikanri.biz ご意見・ご感想はこちらへ)