誕生日の朝、右目のまぶたが赤く腫れていた。 軽いかゆみと、触れると痛みがある。いわゆる「ものもらい(麦粒腫)」の初期症状だった。 原因は、疲労と寝不足、それに加えて、無意識に汚れた手で目を触っていたのかもしれない。日々の・・・
「最新情報」の記事一覧
南アジアの火種と調停〜「挟まれた国」ネパールの選択〜
南アジアという地域は、国境で区切られていても歴史が複雑に絡み合い、「平和な隣国関係」という理想からは程遠い。 2025年5月10日、インドとパキスタンはカシミール地方での即時停戦に合意した。アメリカの仲介によりようやく実・・・
強いアメリカはどこへ向かうのか〜トランプ関税政策と日米産業の分岐点〜
2025年、ドナルド・トランプ大統領が再登場し、米国の通商政策は再び大きく動いている。中国に対する60%の追加関税、自動車・鉄鋼・アルミなどへの広範な関税措置に続き、5月には航空機・エンジン・部品に対しても関税調査を開始・・・
率先垂範なきSDGs〜教皇庁と自民党に問う“語る資格”〜
地球規模の課題に立ち向かうために掲げられたSDGs(持続可能な開発目標)は、今やあらゆる国家、企業、宗教、教育機関がその理念を口にする時代となった。 そのなかで、倫理の象徴として最も強くこの目標を支えている存在の一つがロ・・・
文春砲はなぜ効くのか〜語らせる報道と情報ゲームの構造〜
芸能スキャンダル報道の多くは、センセーショナルな暴露として消費される。 しまし、週刊文春の手法を見ると、それは単なる暴露ではなく、情報の力学を巧みに操る構造的な駆け引きであることがわかる。 ここにあるのは、あらかじめ用意・・・
【ネタバレ注意⚠️】『君たちはどう生きるか』と“父が二人いる構造”──アニメが描いてきた遺産承継の変遷
みなさんはこのゴールデンウィークをいかがお過ごしだろうか。 最終日の今日、私は、先日日本テレビで放送された映画『君たちはどう生きるか』の録画を視聴してみた。 封切り当初はあえて距離を置いていたこの作品だが、ようやく観るこ・・・
善と幸福が重なるとき〜カント『道徳形而上学の基礎づけ』を読了〜
カント『道徳形而上学の基礎づけ』(大橋容一郎訳・岩波文庫)を読了した。 新しい訳ということもあって、語り口は明快。巻末の脚注と索引も丁寧で、哲学書としてはかなり親切なつくりだ。それでも、やはり後半は難解で、読み通すには気・・・
Googleに排除命令〜「便利の裏側」に潜む支配の設計図〜
Chrome嫌いの私には、率直に痛快なニュースだった。 だが、今回の公取委の排除命令は、単なるブラウザ戦争の話ではない。もっと本質的で、もっと静かで、もっと厄介な「行動の支配」をめぐる戦略論の話である。 Googleが売・・・
カント倫理学に学ぶ「意味のマーケティング」と著作権の本質
1. カフェにMacBookを開くという行為 カフェでMacBookを開いて仕事をしている人を見かける場面は多い。都市部のおしゃれなカフェでは、今もその光景が当たり前のように広がっている。Windowsのノートパソコンで・・・
「魚類」という分類は存在しない〜分類が変える自然の見え方
私たちはふだん、海や川を泳ぐ生き物を「魚」と呼ぶ。そして教科書では「魚類」という語を目にする。だが、分類学の体系には「魚類」という正式な分類単位は存在しない。 「魚類」という言葉は、魚のような見た目や水中での生活という特・・・