タイトルだけ読むと、深刻な問題のような気がしますが、ご安心を。
本日は脱力系の話です。

Macユーザーならば誰でもご存知なことですが、MacのOSには、歴代、ネコ科・それもヒョウ亜科の動物の名前が充てられています。
Windowsのように数字や英文字(95、98、ME2000、XP、7)ではなく、ネコ科の動物の名前が「あだ名」(正式には「コードネーム」というそうです)として付けられているのです。
この夏、登場するMacOSX10.7の「あだ名」は「Lion」。百獣の王である「獅子」の名前を冠した最強のOS…という位置づけなのでしょうか。
期待が膨らみます。

さて、ここで1つ、MacOSには大きな問題があることに気づきました。
世の中には、ネコ科、それもヒョウ亜科の動物というのは、それほどいないという事実を、皆さんはご存知ですか。

早速、ウィキペディアで引いてみました。

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ヒョウ亜科は、ヒョウ属、ウンピョウ属、マーブルキャット属、ユキヒョウ属の4属(ユキヒョウ属を独立させない説に立てば3属)を含むネコ科の亜科である。およそ600万から1000万年前にネコ亜科から分岐したと考えられている。下のような種を含む。

(1) ウンピョウ属
① ウンピョウ Clouded leopard
② ボルネオウンピョウ Bornean Clouded Leopard

(2) ヒョウ属
① ライオン Lion
② ジャガー Jaguar
③ ヒョウ Leopard
④ トラ Tiger

(3) マーブルキャット属
① マーブルキャット Marbled cat

(4) ユキヒョウ属
①ユキヒョウ Snow leopard

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合計8種類です。
わずかに8種類です。

ここで、思わぬ発見が!
(1)①の「ウンピョウ」!
いいですね。クラウド・コンピューティング時代にぴったりの名前。「Lion」のつぎは、「Clouded leopard」でしょうか。

本題に戻ります。

僅か8種類。これで終わりなのです。

ちなみに、すでに使われているものに星印をつけてみましょう。

(1) ウンピョウ属
① ウンピョウ Clouded leopard
② ボルネオウンピョウ Bornean Clouded Leopard

(2) ヒョウ属
① ライオン Lion ★(Mac OS X10.7)
② ジャガー Jaguar ★(Mac OS X10.2)
③ ヒョウ Leopard ★(Mac OS X10.6)
④ トラ Tiger ★(Mac OS X10.4)

(3) マーブルキャット属
① マーブルキャット Marbled cat

(4) ユキヒョウ属
①ユキヒョウ Snow leopard ★(Mac OS X10.6)

Mac OS X10.3で使用された「Panther」は「ヒョウ」の別名のようですね。ウィキペディアによると、ヒョウの学術上の英名は
「Leopard」となっています(学名、つまり、ラテン語だと、「Panthera pardus」ですから、「Panther」はここからきたようです

いずれにしても、「ライオン(Lion)」をのぞけば、残りは、「ウンピョウ(Clouded leopard)」「ボルネオウンピョウ(Bornean Clouded Leopard)」「マーブルキャット(Marbled cat)」の3つしかありません。

仮に2年に1回ずつ、新しいMac OSがデビューするとすると、
2011年 Lion
2013年 新OS(たとえば、Clouded leopard)
2015年 新OS(たとえば、Bornean Clouded Leopard)
2017年 新OS(たとえば、Marbled cat)
で、ヒョウ亜科の動物名は枯渇します。

2019年発売の新OSには、付ける名前がなくなってしまうのです。

これを、

「2019年問題」

と呼びます(勝手に呼びます)。

良い解決策はないでしょうか。

解決のためのアプローチとして、「ヒョウ属に属する種の間でできる雑種」の名称を用いるという方法が考えられます。

「ライガー」「タイゴン」「レオポン」といった類の雑種の名称を用いるという方法です。
ライガー(Liger)は父がライオンで母がトラの雑種、タイゴン(Tigon)(またはティグロン)とは、父がトラで母がライオンの雑種、レオポン(Leopon)はヒョウの父親とライオンの母親から生まれた雑種です。
ヒョウ属の雑種の名前には、法則性があり、一般に父親の英名の前半部分と母親の英名の後半部分をつないで名前をつけることが慣例となっています。

「ライガー(Liger)」「タイゴン(Tigon)」「レオポン(Leopon)」の3種プラスで終わりかというと、そうではありません。まだ先があります。

ライガー、タイゴンともに、雄は全く繁殖力を持たないのですが、雌にはまれに繁殖力のある個体が発生し、ライオンやトラとの間に子をもうける場合があります。
その場合はライオンが父、ライガーが母であれば「ライライガー(Liliger)」と言う風に、両親によって呼び名が異なる決まりとなっています。
これらもすべて「あだ名」には使えそうです。

まだ先があるのかというと、残念ながらここでおしまい。さらに生まれた子には、雄雌共に生殖機能がないために以後の繁殖はできません。たとえば、「ライライライガー(Lililiger)」は生まれてこないのです。

無限に続けばベストだったのですが、そこまでは無理でした。しかし、新たな「あだ名」候補が多数見つかり、しかもそれは思っていたよりも数が多く、ほっとしました。

我ながらこれは名案!
さっそく、Facebookで友達になり、スティーブ・ジョブスに教えてあげなければ…と思いましたが、良く考えてみて…やっぱり、廃案!

「雑種」はあくまでも「雑種」であって、「種」ではありませんので。

こういうときは、諦めと切り替えが肝心。
別なアプローチを探ります。

実は、よい解決策がありました!

ヒントは、今を遡ること10年前。
2001年9月にデビューした、「ピューマ(Puma)」にありました。
実は、ピューマは、ヒョウの仲間のように思っている方が多いのですが(現実に、北米では、Pantherはピューマのことを指します)、山猫に近いネコ亜科の動物。

つまり、慣例上、Mac OSの「あだ名」は、ヒョウ亜科の動物の名前ではなくてもよかったわけです。なんか、古い判例を見つけたみたいで、気分がいいです。

ちなみに、ヒョウに「Panther」「Leopard」という2つの呼び名があったのと同じく、ピューマの別名には「Cougar」というのもあります。これも、今後のMac OSの「あだ名」の貴重な候補になります。

ヒョウ亜科に限定すると、前述したとおり名称は、8種類しかいないわけですが、ネコ亜科がOKとなると、範囲は広い!
ネコ亜科に属する動物はざっと数十種。
これなら安心。少なくとも、私が生きている間は、MacOSの名称が枯渇する心配はなくなりました。
実は、Mac OS X10.0で使われた「チーター(Cheater)」も、ヒョウ亜科ではなく、ネコ亜科の所属でした。

これにて一件落着。
「2019年問題」は無事解決です。
Apple社のコンサルティングを担当した気分です(気分だけですけどね)。

ここまで、書きながら、今日の話、何かに似ていると思ったのですが、今、ようやく気づきました。
IPアドレス枯渇問題ですね。現在使用されているIPv4というプロトコルでは近い将来にIPv4アドレスが不足してしまうことが予想されている事態です。
「2019年問題」とたいへん良く似ています。

ああ。すっきりしました。
今日はよく眠れそうです笑