三連休の最終日は打って変わっての良い天気。
東京では、雲一つない青空になりました。気温も高く、ジャケットを着ていると、汗ばむ始末です。

さて、本日は、中小企業診断士の理論政策更新研修を担当させていただきました。

テーマはDREAⅡ(DREAに基づく事業戦略策定Ⅱ)です。

DREAはこの10年間、さまざまな企業で、事業戦略の策定手法として、弊社が体系化してきたノウハウで、3年前に、弊社が理論政策更新研修の研修機関に登録されて以来、全国の中小企業診断士の皆様にご紹介してきた手法です。

理論政策更新研修 DREAに基づく事業戦略策定Ⅱ 【講義用スライド資料】 校正反映版

3年目を迎える今年。DREAの続編として、「DREAⅡ」の研修プログラムを開発。今日は、その初日に当たります。

東京・関東のみならず、今日は、遠くシンガポールから参加してくださった方もいらっしゃいました。感謝に堪えません。ありがとうございました。

研修内容は、

前半が、

① DREAの全体像の振り返り
② 事業理念の重要性の再確認(軽く)
③ AD分析の手法の復習
④ 重畳的AD分析(AD分析を無理なく拡張し、分析のモレを最小限に抑える方法)の紹介
⑤ AD分析を指導する際の質疑対応の方法

という流れ。
まずは、前回学んでいただいたDREAについて思い出していただきました。

どうして、SWOTではなく、AD分析を用いるのか。もう一度確認です。そして、「SWOTさえしておけばよい」という発想の固定化を防ぐべく、今回はあらたに、重畳的AD分析についてもご紹介いたしました。

続いて、

中盤は、

⑥ ゲシュタルト分析の概念の確認(「ケーラーのチンパンジー」を用いた比喩)
⑦ ゲシュタルト分析の手順の確認
⑧ VRIO分析を応用したゲシュタルト分析
⑨ ゲシュタルト分析を指導する際の質疑対応の方法

と続きます。

バーニーのVRIO分析を用いると、非常にスムーズに、ゲシュタルト分析を進めることができますが、そのことを再確認していただきました。

そして、今回のDREAⅡのメインである、ドメインに話が進み、

後半は、

⑩ 拡張型ドメイン理論の基礎
⑪ 複数ドメイン候補の選定法①(PPM)
⑫ 複数ドメイン候補の選定法②(PMS)
⑬ ドメイン選択後のBSC(バランス・スコアカード)の使い方

と、講義・演習を進めました。

カビの生えた古典的理論」だと思われがちな、PPMも、ちょっと視点を変えてあげれば、非常に使いやすいフレームワークになります。

休み時間に、受講された診断士の方から、

「PPMを未来予想に使うという発想は初めて知りました」

と感想をいただきました。

そうなのです! PPMを現状分析に使うのはもったいない話。未来予想につかってこそ、意味のあるフレームワークです。そして、その際には、縦軸・横軸を自由に入れ替える柔軟な発想が必要になります。

DREAには5つの特徴があります。

① 主体を選ばない(汎用性が高い)
・ 事業に携わる者であれば、誰でも活用することができる(【例】社長、社員、パート・アルバイト、コンサルタント、営業担当者)
② 客体を選ばない汎用性が高い)
・ 客体の規模を選ばない(【例】個人企業、小規模企業、中小企業、大企業)
・ 客体の業種を選ばない(【例】製造業、流通業、サービス業、非営利的企業、自治体)
・ 客体の組織形態を選ばない(【例】全社、事業部、カンパニー、子会社、支店、営業所、プロジェクトチーム)
③ 意思決定スタイルを選ばない
・ トップダウン型の意思決定に利用していただくこともできる
・ ボトムアップ型の意思決定に利用していただくこともできる
④ 究極の演繹的戦略策定法である
・ 再定義された事業ドメインの根拠をいつでも明確に示すことができる(【例】ゲシュタルト分析シート、AD分析シート)
⑤ 経営戦略論の統一理論(統合モデル)である

この点を、実際の企業導入事例を踏まえて、今回はお話しいたしました。

その後、弊社代表取締役の山口にバトンタッチ。中小企業白書に関する解説に移りました。

終了後のアンケートに

「導入企業の事例をもっと知りたい」

という声をいただきましたので、この点、次回に向けて、改善していきたいと思います。

本日、ご参加くださいました中小企業診断士の皆様。
本当にありがとうございました。