ここでは、器官劣等性・劣等感・劣等コンプレックスという3つの概念について順を追って見ていきましょう。

(1) 器官劣等性
器官劣等性とは、身体機能等について、客観的に劣っていることです。
たとえば、色盲という器官劣等性がある場合、その人は、その器官劣等性を巡って人生上何らかの決断を迫られると、アドラーは述べています。

(2) 劣等感
劣等感とは、その人が主観的に「自分は劣っている」と感じることです。
たとえば、「自分はアタマが悪い」と感じている状態です。
アドラーは、劣等感自体は問題ではない、むしろ、良い方向に向かう原動力となる大切な存在であると述べています。

(3) 劣等コンプレックス(コンプレックス)
劣等コンプレックス(コンプレックス)とは、劣等感に、「私がかわいそう」という心理が加わり、ライフ・タスク(人生の課題)から逃れようとすることです。
たとえば、自分はアタマが悪いので、勉強しても意味がない…と考えている状態です。