『鎌倉殿の13人』…2週間ほど見ていなかったので、録画で視聴。
ようやくおもしろくなってきましたね。
しかし、八重姫…けっこう出番ありますね。ここまで八重姫に出番をもたせた治承・寿永の乱…すなわち、源平合戦モノははじめてです。
さて、このドラマを見ていて、ふと思い出したのが、クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』。
旧世代の技術を重んじた大企業が、破壊的イノベーションにより、新進気鋭のベンチャー企業によって一気に抜き去られるというしくみを明らかにした経営学の名著です。
これって、「源平合戦〜鎌倉幕府成立期〜承久の変」の構造とよく似ています。
大企業=平氏政権
旧世代の技術=朝廷中心の政治
ベンチャー企業=北条氏
ベンチャー技術=源氏ブランド
これらをさっきの文章…
「【旧世代の技術】を重んじた【大企業】が、【破壊的イノベーション】により、新進気鋭の【ベンチャー企業】によって一気に抜き去られるというしくみ」
に代入してみると、
「【朝廷中心の政治】を重んじた【平氏政権】が、【源氏ブランド】を活用した【北条氏という無名の一族】によってとって変わられた歴史」
と置き換えることができます。
つまり、これこそが、「源平合戦〜鎌倉幕府成立期〜承久の変」の構造ではないかと思うわけです。
今更ながら、北条氏ってすごい一族だと思います。おそらくは、1180年ころまでは、京都では無名の伊豆の地方豪族。
たとえば、我々が今、
「伊東市の市長の名前わかる?」
と聞かれても、伊東市民以外の方はなかなか答えられないと思いますが、当時の北条時政(この当時の当家当主)の認知度は、おそらくは、そんなレベルだったのではないでしょうか。
日本史上、はじめて、朝廷と縁もゆかりもない、血筋的にもまったく中央と関わりのない一族が、突然歴史の表舞台に登場し、天下取りに乗り出すわけです。
おそらくは、物語後半のクライマックスになるであろう1221年の承久の変で、朝廷が屈服し、北条氏は、事実上、天下を取るわけですが、こんなことはそれまでの日本史上ありえないことです。
天智天皇や廐戸皇子を始めとする皇族、蘇我氏・藤原氏のような高級貴族、天皇の子孫であり軍事貴族であった源平…いずれも、「貴種」が天下に号令をかけてきました。
しかし、彼らは違う。まさに「どこの馬の骨」かわからない伊豆半島の豪族なのです。
その成功ストーリーの立役者たる第2代執権・北条義時(小栗くん)の活躍…徐々に始まっていきますね。
今宵も楽しみ!!