今宵は「山口周先生について語る会」を開催予定。
昨年3冊ほど読んでいたのだが、この会を前にして、一気にもう5冊ほど読んでみました(さらにもう1冊読みたいと思ったが、『ブルシットジョブ』が面白すぎて、これ以上は読めず…_| ̄|○)。
これから山口周さんの本を読んでみたい方の参考になれば幸いです。
最後に渡しのおすすめベスト3を入れておきます(^^)
『外資系コンサルのスライド作成術――図解表現23のテクニック』(東洋経済新報社、2012年)
内容は斬新で、密度も濃い。ただ、私が作成するスライド資料とは分野が違うこともあり、個人的にはさほど役に立たず、途中で挫折。若いビジネス・パーソンが読むなら、一見の価値があると思う。
『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』(光文社、2013年)
本書以降の山口さんの著書の原点となる一冊。これだけ読むだけでも、山口さんの考え方の大半を掴むことができると思う。あとがきで書かれている通り、本書は、イノベーションを起こすための「リーダーシップ」と「組織」についての指南書である。我が国の経営者や管理職の方々が読むと、「耳が痛い」となる一冊ではないだろうか。リーダーにとってWhereを示すことが大切であるという話には拍手を送りたくなる。
『外資系コンサルの知的生産術――プロだけが知る「99の心得」』(光文社、2015年)
山口流の知的生産のプロセスとコツについてまとめた一冊。ビジネス書やリベラル・アーツ関連の書籍をどう読むのが効率的か知りたい方には役立つ一冊。イケス理論は、私も早くからやっている作業なので、共感できる(具体的な方法は異なるが、山口さん自体、「具体的な方法はどうでもよい」と本書の中で語っている)。
『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』(KADOKAWA / 中経出版、2015年)
前掲『知的生産術』のうち、読書に関する部分を膨らました一冊。前掲書を読んでいれば、特に目新しい発見はないと思う。イケス理論はここでも登場。巻末に、社会人が読むべきおすすめの書籍が出ているので、これは参考になる方も多いと思う。私は半分くらいは読んでいたが、半分くらいは未読または挫折した本だった。再度トライする機会にしたい。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社、2017年)
山口さん最大のヒット作。『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』との共通点も多いが、視点や事例は新しく紹介されているものが多い。特に、美しく経営することが、不正の防止につながるという考え方には共感できた。顧客の声というどの企業でも入手できる材料から、どこのビジネススクールでも教えるロジカルシンキングやフレームワークを用いれば、そこから生まれるアイディアや戦略は同質的なものになるという話は、私の戦略論とほぼ同じである。y=5x+2 という関数(フレームワーク)にx=2(顧客の声)を代入すれば、得られる戦略y=12という解は誰でも得ることができ、差別化できない。人事関係の方々と飲むとこの本の話でえらく盛り上がったし、TIPSさんで関連テーマでサロンを開催したこともあった。企業研修で課題図書に設定されることも多い一冊である。
『知的戦闘力を高める 独学の技法』(ダイヤモンド社、2017年)
前掲『知的生産術』『読書を仕事につなげる技術』との重複が多い。時間のない方は、『知的生産術』を読んでおけば、この本は読まなくても大丈夫だと思う。が、何冊も読むと、著者がどこを強調したいのかがわかるので、復習として読むのならば意味はある。
『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』(KADOKAWA、2018年)
哲学科出身の著者らしい渾身の一冊。実際に登場するのは、哲学者だけではなく、心理学者や文化人類学者も含む。哲学とビジネスを直接つなげる事例集のような一冊。ちょうど、哲学の勉強を初めて1年ちょっとの私にとってはよい教科書となった。ただし、前掲『世界のエリート〜』と重複する内容が多い(もっともこれは仕方ないと思うが)。飲茶氏の哲学関連入門書とあわせ読みするとおもしろい。
『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』(ダイヤモンド社、2019年)
初めて読む方にはおすすめの一冊。いわゆるオールド・タイプの経営者・ビジネスパーソンと、今後台頭してくるニュータイプの経営者・ビジネスパーソンを24の視点で比較している。私自身、「あ、ここはオールドだな」「あ、ここはニュータープかも」と、自己採点しながら読んだ。ただし、『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』等と重複する部分が多い。
<<個人的ランキング>>
上記7冊の中のベスト3は以下のとおり。
1位:『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』(光文社、2013年)
情報密度が高い。何度も読み直したい一冊である。
2位:『武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50』(KADOKAWA、2018年)
哲学書の原著(ただし日本語訳)を読むたびに「山口さんはどう書いていたのか?」と開きたくなる一冊。
3位:『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社、2017年)
企業研修では大いに活用させていただきている。課題図書に設定されるとなにせ受けが良い笑!!
というわけで、今夜が楽しみです!!!