先週の金曜日、今年最初のサロンを開催いたしました。
今回のテーマは、「今さら聞けないDX(デジタル・トランスインフォメーション)」。
冒頭、多くの参加者から寄せられた質問が「結局、DXとは何なのか? ITとはどう違うのか」でした。というわけで、前半の話題はまずここに集中しました。
今回は、DX関連ビジネスに従事している方に多数ご参加いただいていたため、とても助かりました。みなさん、ご自身の言葉で、両者の違いを端的に。具体的に、そして、事例を交えて、説明してくださいました。
① DXは「変化」そのものを示す言葉であるのに対し、ITは「技術」つまり「手段」を示す言葉である。そもそも、言葉の次元が違い、比較するのがおかしい
② DXは後半の「X」すなわち、「トランスフォーメーション」が重要。当該企業の、「業態が変わる」「ビジネスモデルが変わる」というところまでいかないと、DXとはいえない(既存の「ITの活用」による業務改善レベルでは、DXとはいえない」
③ DXで重要なのは「価値の創造」。単なる「効率アップ」の場合は、既存のITの活用にとどまっており、「価値の置換」しているに過ぎない(置換は価値の量を増やしているとは言えない。創造によって増やさなければならない)
これらの説明を聞くたびに、質問した側の参加者の方々の理解度は高まり、頭の中がクリアになっていきました。
特に、
「日本企業の場合、ギークな若者がDXの必要性、具体的なアイディアを訴えても、トップに届く前に、ミドルにつぶされる。ここが問題!」
という「DXにおけるナイスミドル不在論」は、大いに盛り上がりました。
中盤からの話題は教育論となりました。
これは、「『DX×教育』という切り口での事例を知りたい」というお一人の参加者の問いかけからスタートしました。
学校も塾もこの数年で随分教育のスタイルを変えてきていることはわかりました。コンテンツも手法も進化しています。
一方で、「トランスフォーメーション」と呼べるほどの事例はまだ少ない(ITの活用レベルに収まっている教育機関のほうが多い)という印象は拭えませんでした。教育業界の今後の課題が見えた気がしました。
最後は、意外なことに、「幸福論」になりました。
「どんなときに幸せを感じるか?」
というお一人の参加者の質問について、残りの参加者からさまざまな回答が飛び出しました。
一見すると、DXと幸福論には関係がないように感じますが、そんなことはありません。
むしろ、両者には非常に強いつながりがあると感じました。
つまり、DXの当事者である企業自体、またはその顧客が、
「どんなときに幸せを感じるか?」
を考えるのが、実はDXの第一歩であると感じたからです。
その回答の延長上には、
「顧客に幸福になっていただくためには弊社はこう変わるべきではないか」
という意思が生まれるからです。
この意思を実現するための手段こそが、2015年頃から急成長を遂げたAIであり、その周辺に花開いたさまざまなデジタル技術に他なりません。
何事も”最初”が肝心、幸福論こそがDXの”第一歩”なのではないでしょうか。
というわけで年明け一発目のサロンは大いに盛り上がりながら、21:00(終了時刻)を迎えることができました。ありがとうございました。
さてさて。
年が明けましたが、コロナの状況は昨年と変わらず… というわけで、今年もしばらくはZoomで開催したいと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。