本日は事業承継をテーマにサロンを開催いたしました。
このテーマ…全くの素人。
何しろ、今日の今日まで、事業承継税制の概要すら知らなかったです。サロン中に「継業」ということばが登場し、「どういう字を書くんですか?」と質問する一幕も。
”はりぼて中小企業診断士”としての本領発揮の前半戦でした(笑)
しかし…
2時間皆さんと議論して、ようやく、事業承継の本質らしきものが、自分なりに理解できてきました。
というわけで、
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1.事業承継の本質的意義
2.経営者の「流動資産化」と買い手の「能動性」
3.本来の「磨き上げ」は誰がするべきものか
4.事業承継における私の役割
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せっかくなので、この感動を忘れないうちに、上記のような流れでまとめておきたいと思います。
1.事業承継の本質的意義
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自分がもっとも、ビビビときたのは、
「事業承継とは、経営者と事業とのマッチングの流動性により、旧経営者が見いだせなかった事業の価値の発見にこそ、意味があるのではないか」
という点でした。
たとえば、こんなシチュエーションです。
旧経営者にとって、当該事業は在庫の山に見える。デューデリの段階でも帳簿通りに評価される。
しかし、事業を受け継ぐ新経営者にとっては宝の山に映る。
「安い、安すぎる。私ならこう売る… こうすれば売れる… 早くこの商品を売ってみたい」
こういう事業承継はとても「幸せな承継」に思えるのです。
人材においても同じこと。
旧経営者にとっては「使えない連中」と評価された従業員たち。しかし、事業を受け継ぐ新経営者には金の卵に映る。
「こいつらすごい。彼らと一緒に仕事をしたい。牧のもとでなら彼らは輝ける」
いかがでしょうか。
これなら経営者にも従業員にも価値のある事業承継ですし、社会的にも非常に意味のある行為ですよね。
2.経営者の「流動資産化」と買い手の「能動性」
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経営者が「固定資産」だった時代には考えられないくらいの速度で、今後は経営者の「流動資産」化が進む…
流動性が進めば、相性の良い「経営者」と「事業」との出会いの確率は当然としてあがる。経営者にとっても、事業にとっても、ハッピーになる可能性がこれまで以上に高まる…ということなのですね。
だとすると…
昨今、急速に増えつつある(…と、本日教えていただいた)、事業承継を単なる投資の手段としてとらえようという事業の「買い手」の方々の行いは、本来あるべき姿とは程遠いという今日の参加者の方の意見に私も賛成です。
「私が買い取れば、この事業は花開く」という”直感と自信”、買い取った後、実際に花を開かせる”努力と執念”こそが、買い手に求められる本来的な要件なのです。
言い換えるなら、一般的な売買・贈与・相続とは異なり、事業承継においては、買い手の「能動性」が、不可欠な要件となるということです。
3.本来の「磨き上げ」は誰がするべきものか
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ですから、事業承継の教科書に登場する「磨き上げ」という用語は、
「旧経営者やコンサルタントがデューデリに向けてなされる行為」
…という教科書的な意味ではなく、
「実際に事業を買い取った新経営者が自らの直感と自信に基づき、努力と執念をもって実現すべき、価値の増大」
として定義されるべき言葉であってほしかったと思います。
「磨き上げ」とは、事業を買った新経営者が自ら行うべきものなのです。
4.事業承継における私の役割
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そうすると、自分の役割というのも見えてきました。
事業承継の法制や税制は全く素人の私ですが、「価値の増大」のお手伝いならできると思います。
① 当該事業において売れずに残っているマイナー商品の売り方を考える
② 当該事業に置いてくすぶっている人材にスポットを当て、人間的な成長を促す
特別なことではなく、これまでやってきたことです。
自分が関与している顧客の事業がいつ事業承継の対象になっても(売りに出されても)いいように、予め価値を増やす仕事をし続ければよいのだな…と再確認することができました。
参加してくださった皆様。
今宵は本当にありがとうございました。