単独の講演であっても、伸びていいことにはなりません。お客様(受講者、聞き手)の都合を考慮するのが、プロの講師としての配慮です。
帰りの新幹線の切符をすでに持っている方、飛行機のチケットの手配をしてある方にとって、講演時間・研修時間の延長は、たいへんな迷惑になります。
在京の方であっても、その後、大切な商談を控えている方もいらっしゃるでしょうし、ご友人やご家族と食事の約束をされている方もいらっしゃる可能性があります。

「たくさん話をしたほうがサービスだ」
「いい話なんだから、長くしたほうが喜ばれるはずだ」

というのは、全て、話し手のエゴです。

「時間ぴったりに終わらせるよう、事前にしっかりと内容を吟味する」

ことが講演・研修のプロとしてやらなければならないことです。

どうしても話を続けたい場合は、いったん、講演を終了し、雑談形式・自由参加形式で再開すればよいのです。

「…以上で今日の講演は終了です。ただ、先ほど話題に登った◯◯については、気になる方もいらっしゃるので、興味のある方は、前の方にお集まりください。私の方で、少しだけ追加の解説をさせていただきます」

といった感じです。
ただし、リレー講演のアンカーでない場合には、この方法は使えません。①当該情報に関して記載した自著の紹介、②自身のブログを使った情報の補完、③主催者の許可をとった上での講演会全体が終了してからの補講など、別な方法を考えなければなりません。

「過ぎたるは及ばざるが如し」

これから講義・講演・研修を担当されるであろう新人の中小企業診断士の皆さん、新人のコンサルタントの皆さんは、この点を覚えて置かれるとよいでしょう。

<この稿終わり>。