さて、「言語創世の夢」、今回は、理想的な動詞のあり方についていろいろ夢想してみました。
英語は、動詞の変化が単純ですね。

そのありがたみがわかったのは大学に入ってからです。大学一年生の時、ドイツ語で泣きました。あまりにも動詞の変化が複雑で…

もっとも動詞の変化(活用)で泣いたのは、中学の時の日本語現代文法、さらには、高校の時の日本語古典古語文法でも同じでしたね。

英語にもある程度の変化(活用)はありますが、この点はかなり楽です。規則動詞の変化形は過去形・過去分詞の 「-ed」、現在分詞・動名詞の「-ing」、三人称単数現在形の「 -(e)s」のみです。

一方、不規則動詞の数は、調べてみると、他の西欧言語と比べると多いようです。不規則動詞では現在形、過去形、過去分詞で語幹変化がありますが、これは中学の時(多分2年生だろうなあ)、泣きながら覚えた(九九と同じくらい嫌でしたね)。

【私が神になったら】
当然ながら、三単現の「 -(e)s」は廃止です。英語の中では盲腸のように残った動詞の活用だと思うのですよ。
(言語学者じゃないので間違えているかもしれませんが。あと1,000年くらいしたらなくなるんじゃないかなあ、放っておいても)
あ、もちろん、不規則動詞はすべて廃止! こっちのほうがさらに重要!! これ以上、涙は流さないで済む世界を!

ちなみに、冠詞のなかったラテン語! 滅んでしまったラテン語! 実は、このラテン語には、不規則動詞は10語程度しかなかったそうです(数え方に酔って異なるそうですが)。

人工言語であるエスペラントでは、英語のbe動詞に相当するest-i動詞を含む、全ての動詞の活用が厳密に定められているそうです(現在形は語尾が必ず「-as」、過去形は語尾が必ず「-is」、原形である不定形は語尾が必ず「-i」等)。

それゆえ、不規則動詞は存在しないわけです。そりゃそうですよね。人工言語に不規則動詞をあえて作るりゆうがわからんものなあ。

いやあ、しかし。ラテン語恐るべし。冠詞はないわ、不規則動詞は少ないわ… 中世ヨーロッパに生まれればよかったなあ。
<次回に続く>