本日は、先月に引き続き、「TIP*Sワイガヤサロン」において、

『無敵のプレゼンテーション』

をテーマに、雑談を楽しんでまいりました。

1.興味喚起のための方法
==============

最初の話題は、

「聴く耳を持たない聴衆の前で話をする際、どんな点に留意すればよいか」

という内容でした。

多くの方が一度は直面したことのある立場。
難しいですよね。

いろいろな方法が考えられると思うのですが、私の場合、

「事前アンケート主義」

を徹底することでリスクを最小限に食い止めています。

きっかけは、以前に大先輩のコンサルタントから、

「講義の後、アンケートとってるの? 逆だろう。講義の前にアンケートとればいいのに。そうすれば、コケることないのに…」

と伺ったという経験。

確かに笑 そりゃあそうですよね。
講義が終わった後で、アンケートとったって、”後の祭”。
とるなら、先にとってしまい、それを活かしたほうがずっと生産的ですよね。

別に紙のアンケートでなくてもいいわけです。
可能なら、受講する方全員に事前面接すべき。
できることなら、それがベストです。

もちろん、時間的・予算的制約な問題で、実際にはそこまでできない場合のほうが多いのですが、理想に近づける方法はいくらでもあるはずです。

先日、友人が、Facebookに

「講義中にスマートフォンで質問を受けつけ、それに対応する」

という方法を書き込んでいらっしゃいました。

試しにやってみると、結構反応はあるものです。

日本人は、講義・講演の途中で、

「質問はありますか?」

と投げかけても、なかなか手をあげてはくださいません。

そのわりに、終わった後でアンケートを拝見すると、

「もっと聞きたいことがあった」

などと書かれていたりしてがっかりすることがありますよね笑

ですが、スマホを使ったリアルタイムでの質問受付方式にすれば、この問題は原理的に起こり得ないわけです。

プレゼンテーションの事前準備とは、何も、パワーポイントの校正作業だとか、原稿の下読みだとか、内容の暗記だとかを指すわけではないですよね。

「プレゼンは、事前調査に始まって、事前調査に終わる」

くらいの気持ちでよいのではないかと思います。

2.短く話すほうが難しい
==============

「人は短く話すほうが難しい」という点についても議論になりました。

「30分話してね」といわれると、「え? そんなに話せません」という方は多いですが、実際には、「5分で話してね」といわれるほうがよほど難しい…本当はそうなんですよ。

散文詩なら書こうと思えば私でもかけると思いますが(下手ですよ)、短歌だの俳句だのになると、その難易度はずっと上がりますよね。

何事も、短くまとめるのは難しいことです。

ところが、講義・講演を含めて、プレゼンのリハーサルは、概して、

「長い場合」

には熱心に行われますが、

「短い場合」

には手を抜かれることが多いですよね。

これも矛盾ですね。
本来、「5分」「3分」「1分」でそれなりにしゃべるほうが難しいはずです。

そもそも。
3時間ものの講義を、何度もリハーサルしなければできないということであれば、講義そのものをその人が行うことに無理があります。

何度かリハーサルしてやっとこさ話せるレベルということは、とても、講演者・講義者として、適当だとは思えませんよね。

話を元に戻すと、

「短い時間制限のスピーチほど練習しておけ」

ということになるのでしょうね。

3分スピーチだったら、10回やっても、30分で済みますしね。
そのほうが合理的ですね。

3.自己紹介の是非
==============

今日は、この他、

「アイスブレイクの方法」

についても議題になりました。
具体的には、

「自己紹介をしてから入るべきか、そのままコンテンツに入るべきか」

…といった問題です。

意見が別れたところです。

ま、このあたりは、状況次第というところもありますよね。

私の場合、講義冒頭で自らの

「趣味」

の話に触れるのは、講義中、

「最低でも1回以上休憩がある場合」

と決めています。

講師が趣味の話をしておくと、休憩中などに、それをきっかけに話しかけてくれる受講者の方が必ずいます。

もちろん、趣味はきっかけに過ぎず、その後、講義内容についての質疑応答や議論になるわけです。

これがありがたいんですよね。
休憩明けは、その質疑応答や議論の内容から入っていくと、同じような疑問や感想を持っていた他の受講者の方々が、共感し、シンクロしてくれるからです。
休憩明けの講義・講演が非常にスムーズに入っていくことができるのです。
休憩中の質疑応答や議論が、いわゆる「ブリッジ」の役割を果たしてくれるわけですね。
そのブリッジを作り出してくれるのが、「趣味」の話なわけです。

もっと長いスパンのシリーズ研修等の場合も同様です。
趣味や前職のエピソード、家族がスポーツの話等、ある程度、プライベートな話をしておいたほうが、より多くの方との距離を近づけることができます。
いわゆる心理学でいうこところの「自己開示」という技法の一種に該当するのでしょうね。

4.戦略的他己紹介ノススメ
==============

さて。
今日、友人からアイディアをもらって、

「ああ、なるほど」

と思ったのは、

「他己紹介」

の活用法です。

今日の今日まで、他己紹介というと、なんとなく、研修中に行うアイスブレイクやゲームのようなものだ…と思いこんでいました。

でも、そうではないんですよね。

講義や講演が始まる前に、研修企画者・主催者の方から、

「なぜ今回竹永さんに講義をお願いしたのか、その理由を話しますね。実は彼…」

という具合にしっかりと紹介されていれば、メインの話し手である私へのバトンタッチはこれまたたいへんスムーズなものになります。

今日、この会合に、私を呼んでくださった趣旨、私の話の中でも特に注意して聴いてほしいほしいポイント、以前に私の話を聞いた時にどんなところが印象に残っているか、等々…

企画担当者や主催者の方の口から直接話していただくことで、聞き手の皆さんのモチベーションを高めていくことができるわけです。

一種の予告編ですね。

職歴だの肩書だの経歴だのを話していただくのではなく、今日ここで私が話すことの

「意義」

を含めながら、紹介していただく…というスタイルです。

私自身が申し上げてもいいのですが、どうしても、自分で自分の話をすると、

「手前味噌」
「お手盛り」
「自慢話」

だと思われがちですからね。

企画担当者・主催者の方にやってもらうのがベストだと思います。
これぞまさに、

「戦略的他己紹介」

とでも呼ぶべき方法ではないかと思います。

 

この他にも、

① 作成する資料は、文字がぎっしりと詰まった「コンサル型」がいいのか、イメージ図だけが描かれている「ジョブズ型」がいいのか
② 聴衆にレベル差がある場合、同対応したらいいのか
③ 外国人に対するプレゼン、どんなところに気をつければいいのか

等々。
わずか2時間のうちに、興味深い議題が次々と出てまいりました。

このテーマ。
また、やりたいと思います。
ハナシノタネはほんっっっっっとうにつきないですね。