このところ、私の友人たちの間でも、クライアント企業の関係者の皆さんの間でも、

「セルフ・ブランド・マネジメント(SBM)」

についての研究が盛んになっている。
個性を思い切り伸ばし、それを外界に向けて打ち出すことで、組織も個人も大きくなれる…誠にすばらしいことだと思う。

SBMにおける重要な要素の1つに、

「プレゼンテーション能力」

の向上がある。
当ブログでも、

「無敵のプレゼンテーション」

と称して、プレゼンテーションの方法については、幾度も論じてきた。

プレゼンテーション能力を高める方法の1つとして、エレベーター・トークがある。
先日は北海道で、昨日は静岡で、たまたま、まったく異なるクライアントとエレベーター・トーク論で花が咲いた。

よい機会だと思うので、私のエレベーター・トークについての持論を述べてみたい。
エレベーター・トークの基本は自己紹介である。
そこで今日は、エレベーター・トーク自己紹介を中心に論じてみよう。

たかが自己紹介…されど自己紹介。

「自己紹介くらい簡単にできるぞ」

という方は、ストップウォッチを持って、1分間で自己紹介してみていただきたい。
できれば、スマホやパソコンで録音しておこう。

準備はよろしいだろうか。
ではでは。
せえの〜(掛け声)、どうぞ!

(1分後)

はい。お疲れ様でした。
いかがだっただろうか?

苦笑いされている方が多いのではないだろうか。
まずは、1分ジャストで話をまとめるのは実に難しいことを実感していただきたい。
30秒で終わってしまった方、2分近く話しをしてしまった方も多いことだろう。

しかし。
重要なのは、時間通りに話せたかどうか…以上に、ターゲット論であり、「内容」「組立」「ストーリー」である。
一定の理論を知っていれば、勝てないまでも負けないエレベーター・トーク(不敗のエレベーター・トーク)は十分に実現可能なのだ。
奇をてらう必要はない。ほとんどの方は、自己紹介の重要性にそれほど気づいていないからだ。少し努力しただけで、他の人に対し、大きな差をつけられるのだ。

 

 

1.自己紹介におけるパレートの分析

異業種交流会の場などで、一分間自己紹介をしなければならない機会は意外と多い。

「皆さん、どんな自己紹介をしてくるのだろうか。さてさて、私もそろそろ、ストーリーを組み立てるか」

わくわくとどきどきが入り混じりながら、出番を待つ。
ところが、案外、肩透かしを食らうことが多い。
ほとんどの方の自己紹介は、

「履歴書型自己紹介」
「会社パンフレット型自己紹介」

に陥っており、印象に残るものは少ない。
正直申し上げて、適当に、

「流してしまう」

方が多いのである。
実にもったいない。

そう思って、

「自己紹介はもっと真剣に行うべきではないかな」

と申し上げると、

「まあ、そうですが。いちいち自己紹介までそんなにじっくりと考える時間はありませんよ」

と、袖にされるのが落ちである。

しかし。
ここがつけ目である。
多くの方は真剣に自己紹介に臨まないからこそ、自己紹介に腐心する方のビジネスの機会が拡大する。

敵は少ない。
ブルー・オーシャン、ここにあり! というところである

ここでもまた、

「パレートの原則」

にしたがって行動すると、チャンスが広がる。

 

【参考】パレートの原則
イタリアの経済学者パレートにちなむ原則。パレート分析・パレートの法則ともいう。
社会の富の8割は2割の富裕層が独占している、売上の8割は全顧客の2割が生み出している、商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している、売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出しているといった現象を説明する原則である。
今回は「丁寧に考えられ、組み立てられた科学的なエレベーター・トーク自己紹介の大半は、一部の方だけが行なっている」という意味で用いている。

 

真剣に、丁寧に、そして科学的に自己紹介する人は結局のところ一部である。実際、多くの場合、参加者の自己紹介の中で記憶に残るのはほんの一握りである。

自分の印象を参加者に記憶に残せた方ほどビジネス機会が大きくなり、残せなかった方ほどビジネス機会は小さくなる。
したがって、本来なら、可能な限り、自分の自己紹介がその「一握り」に入るように工夫を凝らすべきなのである。

「別にロープレ・コンテストをやっているわけではないじゃないですか」

というご意見もあるが、それは間違いである。
複数の人が順番に一定の時間制限の中で自己紹介する局面は、須らくコンテストが開催されているのと同様だと考えるべきである。

その場で、魅力的な自己紹介を披露し、自らのキャラクターを参加者の記憶に留めることに成功すれば、チャンスは大きく拡大する。
せっかくの自己紹介機会を活用することなく、「流して」しまえば、大きな機会損失に陥る。

恐ろしいのは、その機会損失に多くの方は気づいていないという点である。
心理的な埋没原価、心理的な簿外債務… うまく表現できないが、要するにそういう見えないマイナス要因なのだ。

エレベーター・トークでも自己紹介でもないが、以前にあるプライベートな交流会で、講義を求められた(経営学やビジネスとは無縁の講義であったが)。
仕事ではなかったが、徹底的に真剣に準備し、当日も全身全霊を込めて講義した。
単なるお遊びの講義で終わるはずだったが、その場に居合わせた1人の方が、私の講義を気に入ってくださり、数カ月後に大きな機会をいただくに至った。

現在、毎週のようにその方とは顔を合わせ、「次の企画」「次回の準備」で大忙しである。
複数の人間の前で一定の時間をもらって話をする場合、それがたとえ、プライベートな場であったとしても、いつ、何時も、手を抜かずに話すべきだということを知るよい機会になった。
チャンスの女神は、時としてプライベートな会合にも「出席」されているのだ。なんとまあ、きまぐれなことか(笑)。

自己紹介に話を戻そう。

最悪なのは、履歴書を読み上げのような自己紹介である(履歴書型自己紹介)

「皆さん、こんにちは。㈱経営教育総合研究所の竹永です。コンサルティング会社の経営に従事しています。自らも講演やセミナーで話すことが多いです。出身は埼玉の浦和、現在のさいたま市です。大学は文学部。もともとはビジネスと無縁の学生生活を送ってまいりました。消費財のマーケティングに興味があったので、化粧品メーカーに就職し、商品プロモーションや営業人材の育成に携わって来ました。転職後は、弊社のグループ会社になっている株式会社TBCが展開する中小企業診断士の受験対策機関…TBC受験研究会の講師をしておりましたが、現在は大手企業において、マネジメント研修やマーケティング研修、営業研修を担当しています。今日はよろしくお願いいたします」

我が事ながら、眠くなってきた…zzz
眠気覚ましに、もう一つ、最悪の事例を紹介しよう。
ひとりよがりに自社の事業内容を延々としゃべるスタイルである(会社パンフレット型自己紹介)

「㈱経営教育総合研究所の竹永でございます。㈱経営教育総合研究所…と言われてもピンと来ない方が多いと思います。大手のコンサルティング会社ではありませんので。ちょっとだけ弊社のPRをさせていただきたいと思います。弊社は東京は水道橋に本社を構え、事業内容といたしましては、中小企業診断士を始めとします国家資格取得支援、国家資格取得後のフォローアップ教育、社内大学や社内MBAの設立・運営の支援・コンサルティング、その他人事研修や営業研修がメインとなっています。昨年は出版社をグループ会社に加え、経営やビジネスに関する多角的・多面的なアウトプットに努めております。今日は、さまざまな業界で活躍されている方々とお会いできて光栄です。よろしくお願いいたいます」

ああ。疲れた。
まるで、結婚式の主賓挨拶である。
ダミーのつもりで書いていても、あくびが出てくる。眠気覚ましどころか、逆効果だったようだ笑

およそこのような自己紹介をしていたのでは、営業上、大きな成果を上げるのは難しい。
優秀な営業担当者とは、どんな場合でも、

「よし、なんとかして、仕事に結びつけてやろう」
「この機会、どう使ってやろうかな」

と、手ぐすね引いて待っている人たちである。
エレベータートーク自己紹介の制限時間が1分間だとしたら、1分間に渡り、会場全体の耳目が自分に集中する時間を、

「無為に過ごす」

とは考えられない。

 

2.自己紹介におけるターゲティングの重要性

上記のような自己紹介はなぜダメなのか…
理由を上げれば、枚挙にいとまがないが、最大の理由は、

「ターゲット不在の自己紹介になってしまっていること」

である。
リンカーン風に申し上げれば、

「自分のための、自分による、自分の紹介」

になってしまっているのである。

「この自己紹介を誰に聞かせたいのか」

というメッセージ性が欠落しているのである。

異業種交流会やパーティの2次会であっても、自己紹介をする場合には、「ターゲット」を設定する習慣を持っていただきたい。
ビジネス機会の拡大を求めて会合に参加している場合であれば、全員と名刺交換することにはさほど意味はない。
それよりも、ターゲットをしぼった自己紹介に注力すべきである。

余談だが、未だに、会合に参加する人数を増やすことにのみ執念を燃やし、

「ありがとうございました。前回の100人を大幅に超える150人の紳士淑女の方々にお集まりいただきました!次回は皆さんのお友達を是非御ひとりずつお連れください」

といったコメントを集合写真とともにでかでかと掲示している主催者のWebページを見ると、鼻白んでしまう。

2時間程度の立食パーティで名刺交換できる人数など限られている。
参加者全員がフォークダンスのように並んで交換作業だけを行うならできなくはないが、そんなやりとりで、ビジネス機会が生まれてくるわけがない。

私が原則としてビジネス雑談サロン8人で開催している理由もそこにある。
多くの人間と出会いたければ、少人数型の会合に高頻度で顔を出すべきである。
芸能人の結婚式じゃああるまいし、150人だ200人だと集まって、数を競うような風潮には、呆れるばかりである。

異業種交流会なり、立食パーティなりで、重要なのは全体で何人集まっているかということではない。
限られた時間内に、ビジネス的に意味のある方1〜3人深いつながりを持てるように動けるかどうかという点に頭を使うべきである。

たとえば、金融機関の中でも地方銀行の関係者の方々とのやりとりが多いのであれば、

「今夜のパーティでは、金融機関、とりわけ、地方銀行のマネジャーと1人でも知りあえれば御の字だな…」

と考えるのが自然である。
したがって、自己紹介の際には、さらりと自らの

「ターゲット(地方銀行のマネジャーの方)」

には触れておいたほうがよい。

たとえば、30秒での自己紹介ならこんな感じである。

「こんにちは。経営コンサルタントの竹永です。皆さん、「足を使わない営業のノウハウがある」って耳にされたら、ちょっと気になりますよね。私は最近、もっぱらその具体的な方法について研究しています。その研究結果についてですが、最近では、主に地方銀行のマネジャーの方向け(ターゲット)にお話させていただく機会が増えました。あ、このパーティ会場でも実演できますので、もし、興味のある方はのちほど、気軽にお声をお掛け下さい」

お見合い合コンにおける冒頭の自己紹介で、

「タイプの異性」

について述べるのと同じである(全員と名刺交換する意味のもっともないパーティはお見合い合コンである)。

冒頭でご紹介したあくびの出る自己紹介は、特にターゲットを意識したものではなかった。
会場全体をターゲットとした自己紹介など、

「帯に短し襷に長し」

…誰の記憶にも残らず、何の成果にもつながらない。

自己紹介は、参加者全員の記憶に残る必要はない。
ターゲットの記憶に残りさえすればよいのだ。

しかし、実際にはターゲットを絞った自己紹介のほうが、ターゲット外の参加者にも記憶に残るし、興味を引きやすい。
たとえば、さきほどの私の自己紹介を聞いた信用金庫の営業部長であれば、少なくとも私には興味を抱くかもしれない。
都市銀行の支店長が私の名前と提供しているサービス「足を使わない営業のノウハウ」を記憶するかもしれない。

彼らは私と名刺交換する際に、口をそろえてこう言うだろう。

「さっき、自己紹介の時に竹永さんがちょっと話していた『足を使わない営業』って、地銀(地方銀行)でないと活用できない方法なんですか?」

これを、ターゲティングのブラックホール効果と呼ぶ。
詳細はこちらをご覧頂きたい。http://eiseikanri.biz/wp/takenaga/ターゲット・マーケティングのブラックホール効/

ターゲットを絞った自己紹介のほうが、会場全体の記憶に残りやすいのは、このためである。

こうなると、エレベーター・トーク自己紹介への臨み方も自ずと決まってくる。

 

3.自己紹介エレベーター・トークへの臨み方

(1) 設計図の書き出し

自己紹介エレベーター・トークが求められる場合、最初にやるべきことは、

「頭のなかに簡単な設計図を描く」

ということである。
メモ帳や私がよく使っているような携帯用ホワイトボードがあれば、それに書き出してもよいだろうが、立食パーティの会場であれば、頭のなかにしか書きだすことができない(しかも、ちょっとアルコールが入っている場合もある。自己紹介が終わるまでは控えめに笑)。
メドとして、

「1分あたり5個程度のキーワード」

があれば、組立はできるだろう。

前述した私の自己紹介の場合であれば、

「経営コンサルタント」「足を使わない営業のノウハウ」「研究」「地方銀行のマネジャー」「実演」

が骨格を構成するキーワードである。

(2) 自己紹介エレベーター・トークのフレームワーク

参考までに、制限時間別に活用できる、自己紹介エレベーター・トーク用のフレームワークをまとめておこう。

ストーリーをまとめるのが苦手な方は、設計図を書く際にこれらもフレームワークを用いてみよう。
「Who」とは、前述した「ターゲット」。誰に向けてのメッセージであるから、できるだけ外さないほうがよい。

① 制限時間30秒の場合
a.1〜2センテンスで述べるつもりで考える
b.「一言で言えば」で始めるつもりで考える
c.「Who-What(誰に何を提供できるのか)」で考える

② 制限時間1分間の場合
a.3〜5センテンスで述べるつもりで考える
b.「Who-What−How(誰に何をどのように提供できるのか)」で考える

③ 制限時間3分間の場合
a.「Who-What−How(誰に何をどのように提供できるのか」で考える
b.3項目でまとめてもよい(【例】仕事、性格、モットー 等)
c.起承転結でまとめてもよい(ただし、けっこう難しい)

(3) 脳内リハーサル

本来なら、2〜3回リハーサルをしたいところだが、普通は不可能である。
会場を抜けだして、トイレでブツブツ述べてくる…という手もあるが、他の方の自己紹介を聴き逃してしまうので、まず無理である。
携帯電話にキーワードを書きだして、読みこむだけでもリハーサルの代替にはなるが、これもまた失礼にあたることが多い。
あくまでも、頭のなかで2〜3回、イメージ・トレーニングのつもりで、脳内リハーサルを試みるに留めよう。

 

 

4.自己紹介エレベーター・トークの事例

ここでは、実際にエレベーター・トーク型自己紹介の事例を見てみよう。括弧内は注釈である。

(1) 「Who-What」型自己紹介

前述した自己紹介がこのフレームワークによるものである。概ねこれでジャスト30秒であろう。短い時間だが、「Who(誰に)」、すなわち、ターゲットについてはさらりと触れておこう。

「こんにちは。経営コンサルタントの竹永です。皆さん、「足を使わない営業のノウハウ(What)がある」って耳にされたら、ちょっと気になりますよね。私は最近、もっぱらその具体的な方法について研究しています。その研究結果についてですが、最近では、主に地方銀行のマネジャーの方向け(Who)にお話させていただく機会が増えました。あ、このパーティ会場でも実演できますので、もし、興味のある方はのちほど、気軽にお声をお掛け下さい」

(2) 「Who-What−How」型自己紹介

(1)の拡張版である。「How (どのように)」の部分を膨らませば、1〜3分程度まで引き伸ばすのはさほど難しくはない。

「皆さん、こんにちは。経営コンサルタントの竹永です。私は最近、地方銀行のマネジャーの皆様(Who)の前で「足を使わない営業」(What)についてお話する機会が増えました。いやいや、そんな怪しげな話じゃあないですよ(笑)。実は誰でも出来る方法、まるで、コロンブスの卵のような方法なんです。YouTubeってありますよね。動画配信のしくみです。あのYouTubeを使って、ショート動画で情報配信を続けていくと、自分や自社の提供するサービスの「見える化」が一気に進むんです。100本もたまると一財産です。使うのはiPhoneだけ。お金もかかりません(How)。興味のある方は後でお声をおかけください。この場で実演いたしますよ(笑)」

(3) 起承転結型自己紹介

古典的な組立方法であるが、それゆえ効果は高い。「おお、うまくまとめますね」とおもわれる可能性が高い。ただし、思いつかないとなかなか「オチ」がつかないものである笑

「こんにちは。経営コンサルタントの竹永です。皆さん、「足を使わない営業のノウハウがある」って耳にされたら、ちょっと気になりますよね(起)。実はね、そんなに難しいことではないんです。YouTubeってありますよね。動画配信サービスの… あれを使って自分または自分のサービス内容を延々とショート動画に収録し、アップロードを続けていくんです(承)。そうすると、やがてお客さんから「竹永さん、あの動画見たよ。うちでもやってもらえないかな」という指名が増えてきます(転)。最近では足を使わないので、運動不足…体重が気になるようになりました(笑)(結)

(4) 3項目型自己紹介

日本人は3つにまとめるのが好きである。簡潔にまとまった!という強烈な印象を相手に与えることができる。ただ、ぶつ切り感が漂ってしまっては、印象は希薄になる。可能な限りストーリー性をもたせることができればベストである。以下の例は、3項目間にもストーリー性をもたせている点を確認していただきたい。

「こんばんは。経営コンサルタントの竹永です。最近一番力を入れているのは、「足を使わない営業ノウハウ」についての講義・講演です。地方銀行の方向けにお話する機会が多いです(業務テーマ)。その際気をつけているのが、「日本一臨機応変な講義」です。大げさに言えば、一秒ごとに会場の空気を読み、話す内容やスタイルを変えていきます(モットー)。自己分析してみますと、よく言えば柔軟な思考の持ち主、悪く言えばいきあたりばったりですね笑 1つ宜しくお願い致します(性格)

3項目型は、自己紹介エレベーター・トークだけではなく、商品紹介エレベーター・トークなどにも転用できる。
「ブリッジ」というのは、ある話題からある話題に移る際に、ぶつ切り感を与えないようにするためのテクニックである。

【参考】3項目型商品紹介
「皆さん、こんにちは。今日ご紹介しますエアコンですが、特徴は3つあります。まずは「場所いらず」。他の暖房器具と違って床が一年中広々使えます。今まで置けなかったソファも楽々置けちゃいます。続いて、「手間いらず」。面倒なホコリ取り作業が不要なんです。大掃除の時に歯ブラシでゴシゴシやらなくてもずっと勢いよく温風が出てきます。最後が「我慢いらず」。節電って聞いたら「あ、我慢だ」と思われている方いませんか? 今時そんな必要ないんですよ。「場所いらず」「手間いらず」「我慢いらず」・・・「3つのいらずの◯◯◯(商品名)」と覚えちゃってください。ところで、この中で一番皆さんが不思議に思ったのはどれですか?(ブリッジ) お? やっぱり、最後の我慢いらずですか… では、この我慢いらずの正体について、今日は1枚写真を持ってきていますのでこちらを御覧ください(ブリッジ)

 

 

5.エレベーター・トーク必勝法

いかがだっただろうか。
それほど高度なことを要求しているわけではない。
高度な要求など不要なのだ。
なぜなら、ブルー・オーシャンであり、多くの人は、丁寧で科学的な自己紹介など、行わないからである。
本来、楽をして勝てる領域が、エレベーター・トーク自己紹介なのである。

最後に、自己紹介エレベーター・トークのポイントを「3つ」にまとめておこう。

(1) 「流しちゃえ」と思わない

千載一遇のチャンス(コンテスト)だと考える。

(2) 時間の許す限り考える

その場で、頭のなかで、メモ帳使って等々。とにかく考える。

(3) 使えるものは全部使う

PowerPoint、マイク、演題、プロジェクター、ホワイトボード、A3の用紙等々。部屋の中にあるものは全部使えるかどうか主催者に確認する(ダメ元でよいから確認する)。

 

 

これだけ書いても、どの道、ある会合で一生懸命に自己紹介する方、丁寧に話を組み立てて自己紹介する方、起承転結を用いて自己紹介する方は、一握りである(だからこそ、パレートの原則が成り立つのだ笑)。

敵は少ない。
上記の方法を参考に、丁寧で科学的な自己紹介を行えば、それほど奇をてらわなくても、多くの場合、記憶に残る自己紹介が実現する。
不思議なことに、ターゲットを定めたほうが、ターゲット外の方の興味を引き、記憶にも残りやすい。

今回のタイトルは、

「無敵のエレベーター・トーク」

ではなく、

「不敗のエレベーター・トーク」

である。

エレベーター・トーク自己紹介で、別に大勝する必要はない
ただ、負けるのはもったいない

エレベーター・トーク自己紹介は、F1レースでいえば、予選会のようなものである。
予選落ちさえしなければ、その後、十分に勝負をかけることができる。
エレベーター・トーク自己紹介における予選通過とは、自らの名前とキャラクターが記憶に残ることであり、フリータイムやパーティの際に名刺交換を申し込まれる機会が得られるということである。
その中に、ターゲットとなる方がいれば、申し分ない。

会場全体で15人が自己紹介するならば、まずは、

「ベスト3」

に入れるように努めよう。上位2割である。

必死の形相で100枚の名刺を集めるよりも、はるかにビジネス上の効果は高いのだ