理由は簡単。
別に特別なことではありません。
問題意識を持って、貪欲に情報・事例・ノウハウを求め、調べるための努力を怠らず、常にメモをとり、物事にアレンジを加え、挑戦を続けてきた方は、自然と、40歳前後で②のようなマネジャーに成長します。
逆に、のんべんだらりと日々を無為に過ごし、組織や経営トップに要求されたことだけをこなし、何のメモもとらず、物事に対しアレンジもせず、挑戦を避けてきた方は、たとえマネジャーに昇進しても、①のようなマネジャーにしかなることができません。
20代のときには小さかった差異が、30代・40代と年齢を重ねるたびに、どんどん拡大していった結果です。
②のようなマネジャーは、そのまま突き進めばよいのです。組織や経営トップから、あれを学べ、これを勉強せよ…といわれなくても、自分でどう勉強し、何を学べばよいのか、わかっていますから、自ずと、学習と成長を続けます。こういうタイプのマネジャーを持続的成長型マネジャーといいます。
これに対し、①のようなマネジャーは、方向転換と意識改革の機会が必要です。20代・30代の頃に比べると、自分のスタイルが固定化している方が多いので、簡単にはいきません。こういったマネジャーを成長停滞型マネジャーといいます。
難しいながらも、次のような2つの方法があります。
① 主観的な分析(自己分析)と客観的な分析(他人分析)に基づき、怖がらずに、それを直視するところから、スタートしなければなりません。勇気のいることです。
② さまざまな成功事例・成功体験に触れ、「そういうやり方ができたらいいだろうなあ」という気持ちを醸成する機会を設けることも大切です。
私の主宰する講演・研修・ワークショップでも、プログラムにより、多少の違いはありますが、①と②とを併用する場合が大半です。
その際、ダイレクトに、「そのやりかたのほうが、楽ができそうだ」と、受講していただくご本人に興味を持っていただける成功事例・成功体験を示すことが必要です。
人はある程度の年齢になると、若い頃に比べて情熱だけでは動けなくなります。
「楽ができるならやってみようか」というやり方も、立派な動機付け(モチベーション)になります。
「自分のスタイルを変えろ」
「ブレイクスルーが必要だ」
「パラダイムシフトが求められている」
とお題目を唱えるよりも、
「これを学と楽ができる」
「こうすると、今より休める」
「この方法を導入すると、労働時間が減る」
といった直接的な効用を訴えたほうが、響く場合が多いのです。
マネジャーの成長の停滞を是正できるのは、ご本人の意思と努力が不可欠なのはもちろんですが、是正のための起爆剤を組織と経営者が用意してあげることも大切です。
もしかしたら、私たちがそのためのお役に立てる場合があるかもしれません。マネジャーの成長の停滞を是正するための起爆剤をお探しの際には、一度、お声をおかけください。
<この稿終わり>
㈱経営教育総合研究所 竹永 亮
(ご意見・ご感想・ご用命はこちらへ takenaga@eiseikanri.biz )