以前に、当ブログにおいて

「無敵のプレゼンテーション」

と題して、さまざまなプレゼンテーション技法について動画で情報を発信したことがあります。
いろいろな方から感想をいただき、そのうち、続編を…と思っています。

さて、そんな中でご紹介した

「氷山の一角の原理」

 

 

スライドを使ってプレゼンを行う場合には、5枚の使用予定スライドに対し、50枚の未使用保険スライドを用意し、質疑応答に対応しよう、理論武装しよう…という原理でした。

ところが、最初のうちは

「氷山」

が大きくならないという問題が生じます。

「質疑応答のための保険スライド・理論武装スライドを作るのではコスト的に見合わない
やりすぎじゃないか」

という声もあると思います(現に、かつて後輩のコンサルタントに指摘されたことがあります)。

時間コストの問題というのは馬鹿にはできません。適切なご指摘です。

「氷山は一日にしてならず」

ですから、無理して1回目から氷山を大きくする必要はありません。

同一内容のセミナーや講演を実施するたびに

「その日の夜に」

あるいは

「次の日の朝に」

忙しい時は

「その週末のうちに」

気づいたことをスライドに描いて(デコレーションはどうでもいいので、ベタ打ちして)おくのです。

誰でも、セミナーや講演を行うたびに

「こうすればよかった」
「こんなスライドがあればもっとわかりやすかった」
「ここのこの1枚を挟みたい」

といった

「改善案」

が思い浮かぶものです。

しかし、このアイディア…

あっという間に忘れてしまいます。

Evernoteやら各種メモ帳に書き留めてもいいのですが、それよりも、思い切って

「スライド化」

しておけばいいのです。

メインで使用するスライド5枚の後ろに

「資料編」

という1枚を創設し、気づいたアイディアをべた打ちしたスライドをざざっと書き留めておくのです。

次回の同一セミナー・同一講演の際に、

「使いたいな」

と思ったものは、ちゃんとデコレーションして(色をつけたり、アニメを設定したり)、本編の中に挿入すればいいでしょう。

「保険で残しておくか」

というスライドは、そのまま置いておいて、質疑応答用の保険としてそのまま残しておきましょう。

質疑応答のスライドなど、別にきれいにデコレーションされていなくても何ら問題ないですからね。

この方法のよいところは、

「直したい」
「修正したい」

という気持ちが強いうちに作業するので(モチベーションが高いうちに作業するので)、負担にならない点です。
単なるベタ打ちであれば、時間的な負担も小さくてすみます。まとまった時間は必要ありません。
ちょこっと気になる点を書き留めておくだけで良いのです。

こうして、何度も同一セミナー・同一講演を行うたびに、保険スライド・理論武装スライドは、

「資料編」

として、根雪のように降り積もっていきます。

気づいた頃には

「うわあ、こんなに資料編、枚数増えたかあ。ちょっと整理するかあ」

となります。

ポイントは、

① アイディアが頭の中にあるうちに(ベストはセミナー・講演が終わった直後)にスライドとして書き留める
② 保険スライドは、『資料編」として大切にストックしておく
③ 次回以降必要に応じて、取捨選択し、デコレートして、使用する

という点です。

一番よくないのが、しばらくたってから、次回、同一セミナー・同一講演を行う段になって、アイディアをだそうとする努力です。
すっかり忘れてしまって、あれこれ考えて、結局あきらめて(というか妥協して)、前回と同じスライドで講演することになります(私も経験があります)。

で、講演した後に

「ああ、そっか。そうだった。改善案を今頃思い出した!!」

臍を噛むのです(あ、私も何度もありますm(_ _)m)。

今日の格言。

「鉄は熱いうちに打て。スライドは忘れる前に直せ」

これを繰り返せば、氷山はどんどん大きくなります