年末年始といえば、マジック(手品)のシーズン。
今日は私のマジックをご覧に入れます…

という主旨の映像ではありません笑
(動画自体はこの投稿の下のほうにあります笑)

今日もまじめに経営学の一フレーズをとりあげたいと思います。

ポーターは、主著『競争優位の戦略』の中で、

「事業単位間の相互関係」

を重視した

「水平戦略」

の重要性を説いています。

これは、事業単位間のシナジーを重視し、過度の分業体制を改め、会社全体として、複数の事業にまたがる多面的競争者との戦いに勝とう…という主張です。

ポーターは更に、

「貢献度の大きい相互関係に無縁の事業単位、阻害要因となる事業単位は売却する」

とまで述べています。

「相互関係を通じて他の事業単位の役に立っていない事業単位や、今後多角化を進める際の拠点となる見込みのない事業単位があれば、機会をみて売却する候補にあげておくのがよい」

上記の主張もわかります。M&Aはかくあるべきです。
しかし、以下の主張になると、ちょっと躊躇する方も多いのではないでしょうか。

「たとえどんなに収益力が高く、魅力があっても、その事業単位を社内での評価と同等か、あるいはそれ以上に高く評価する会社が出てくるはずである。」

単体でいかに高い収益力のある事業であっても、自社内の他事業単位との相互関係が薄かったり、阻害関係にあるような事業は、じゃんじゃん売却せよ…という主張です。

「ここまではどうかなあ」

という意見を持つ方も多いと思います。

そこで、そんな方を対象に、今日は、トランプを使って、ポーターの主張を擁護してみたいと思います。

以下の動画を御覧ください。
長いことインストラクターを務めていますが、講義に

「トランプ」

を用いたのは初めてです(笑)。

いかがだったでしょうか。
やはり、ポーターの言うとおり、

「自社の一員でいる限り競争優位にまったく役立たないが、他社に移ればそうした機会にも恵まれるからである」

「こうなれば、売却してその事業単位に投じた資金をすべて回収できるし、場合によっては、利益まで得られることになる」

「売却で手にはいった資金は、相互関係の効果を発揮して競争優位の強化に役立つ事業単位へ投資することになる」

と考えるのが妥当だと思います(『競争の戦略』ダイヤモンド社 ポーター著 第10章より)。

はやり、今や、事業単位単体での価値評価(バリエーション)だけでM&Aを考えるべきではないのでしょうね。