女優さんの写真ではありません。
理論物理学者のリサ・ランドール博士。
彼女によれば、この世界は11の次元から成立しているといいます。
頭がおかしくなりそうな理論ですが、我慢して読み進めてください笑
本来は11もの次元があるにも拘わらず、3次元空間に時間を加えた4次元時空間までしか我々が知覚できないのは、他の8つの次元が「小さく閉じている」からだというのです。
たとえば、模造紙の上を這いまわっているアリは、縦にも横にも自由に行き来することができますから、自分のいる世界が2次元であることを知覚できるでしょう。
しかし、針金の上を行ったり来たりしているアリは、自分のいる世界が2次元であると知覚できません。
縦方向の次元(針金の縦方向)は「開いています」から知覚できますが、横方向の次元が「小さく閉じている」ために知覚できないのです。
このように実際には存在していても「小さく閉じている」次元には、私達も気づくことができない(知覚することができない)で生活しているのです。
先日、この話をふとしたきっかけで思い出したのですが、同時に思い出したのが、ドラッカーの『マネジメント』理論。
私は以前に、ドラッカーの経営哲学は、マーケティングとイノベーションという2つの次元をもって図式化することができると述べたことがあります。
私の知る限り、多くの企業は、マーケティング次元については広い視点を持っています。
広告もやる、パブリシティにも積極的だ、顧客とのコミュニケーションづくりにやっきになる、標的顧客の見直しを考えている、ブランディングに注力している、新製品開発に没頭している、SEO対策に長じている…
つまり、次元は開いています。
ところが、イノベーション次元については、あきらめている会社が多いのです。
「製品の差別化」に固執し、「小さく閉じている」企業がまだまだ多数派です。
頭ではわかっていても、体ではあきらめている…そんな印象が強いのです。
ドラッカーは「イノベーションはどこででも起きる」と述べ、「技術上のイノベーションよりも、経済・社会におけるイノベーションが重要だ」と述べています。
ポーターは「差別化は価値連鎖上のどこででも起きる可能性がある」と述べ、「技術上の差別化だけではなく、価値連鎖上どこででも差別化は図れる」と述べています。
あなたの会社のイノベーション次元は閉じていないでしょうか。