高齢者向けITについて考える時代
我が家(+実家)の林檎化が進んでいます。
林檎化とは何であるか? 読んで字の如し。要するに、アップル社の製品の数が増えているという意味です。
① 私がMacBookAirを購入した
② 実家の母がiPadを使い始めた
③ 妻がガラパゴス携帯からiPhone4に切り替えた
以上、最近の動きをまとめると、林檎化計画という言葉に集約できます。
今日は、このうち、②についてご紹介したいと思います。
実家の母のパソコン熱が突然上がり、御年70歳を越えながら、
「今年は年賀状をパソコンで作る」
を目標に、がんばってWordのトレーニングをしているのを見るに及び、高齢者向けのITはどうあるべきかを考えるようになったのが、事の発端です。
iPadが発売されたとき、そのサイズ、コンセプトに懐疑的であり、あまり魅力を感じなかった私ですが、殊、高齢者向けの情報端末としては、かなりのヒット商品になるのではないかと、予想をしていました。
私の母の場合、パソコンの使用目的は主に3つ。
① インターネットで情報を調べる
② 文章を書く
③ 写真を閲覧する
上記③つに限って申し上げれば、高度なマルチタスク機能を持ったパソコンである必要はなく、iPadで十分ではないか…ということになったのです。
「iPad 高齢者」でネットを検索すると、予想通り、いろいろな情報が見つかります。
ある方が、年配のご両親(パソコン経験あり)にiPadを送ったところ、
「テレビは見られるのか?」
と問われ、答えに窮した…という話がありました。確かに、予備知識がなければ、あの四角い画面の黒い板状の外観からすれば、テレビが見られるものだ…と考えるのが普通です。ちなみに、iPadでは、テレビは見られません。
「でも、新聞は読めるよ」
と産経新聞の無料閲覧ソフトを導入し、両親に閲覧を楽しんでもらうと、お父様が再び一言。
「朝日新聞はないのか」
なるほど。団塊の世代の方々にとって、
新聞=朝日
なんですね。きっとビールはキリンでしょうね。
残念ながら、朝日新聞は無料では読めません。もっとも、現在は、iPadで産経新聞を読む場合にも、月額1,500円がかかります。
体験的・直感的に使うことができ、起動も反応も速いiPadは高齢者が親しく情報端末としてはたいへん優れています。
私の母もたいへん気に入ってくれており、起きている間は茶の間に、ねる時は枕元へと、常に移動させています。
一番よかったのは、何といっても写真の閲覧がしやすいこと。デジカメのカードを抜いて、アダプターを介して、iPadに挿し込むと、何の操作を擦る必要もなく、写真がiPadに吸い上げられます。
そのまま、
① 写真1枚1枚を閲覧すること
② 日付ごとに1塊にして(iPadでは「イベントごと」という表現がされています)閲覧すること
③ テーマごとにアルバムを作り、アルバム別に閲覧すること
がいずれも可能になります。母には③はちょっと無理なようですが、①②は概念としてわかってくれた模様。主に、②に従い、時系列に並んだ写真を楽しんでいます。
「なんかわからなくなったら、ホームボタンで戻ればいいよ」
という私のアドバイスもよかったようです。パソコンを操作していた母に、かつて、
「え? パソコンは電源勝手に落としちゃだめだよ」
と母に注意したことがあります。そのため、母にとって、パソコンは、
「勝手に電源を抜いてはいけないモノ」
「デリケートで難しいモノ」
「できれば避けて通りたいモノ」
という印象を植えつけてしまったのではないかと思います。たいていの家電製品は、勝手に電源コード抜いてしまっても、別に問題ないのですが、唯一パソコンだけが、そういう扱いを拒むのです。皆さんにとって当たり前になってしまっているので、忘れがちですが、実は、非常に特殊な製品でのです。
起動と反応が速いことも、iPadとパソコンの大きな違い。先日購入したMacBookAirは、その立ち上がりの速度に最大の特徴がありますが、これはアップル社が持っているiPadを開発する際に手に入れた技術的資産だといわれています。高齢者がイライラしたり、我慢したりする必要はありません。その点、iPadは、通常の家電同様、スイッチを切れば、パッと画面が消えますし、操作がわからなくなったら、ホーム画面で戻れば、一からやり直しができます。実にわかりやすい製品です。
中小企業診断士という立場からモノをいわせていただくと、中高年の経営者や管理職の立場にある方々で、今までパソコンやネット、メールに拒絶反応を示していた方にとっても、iPadならば、敷居が低く、馴染みやすいのではないかと感じます。
iPad本来の電子ブックとしての機能は当面日本では開花しないでしょうし、開花することには別な機種の時代になっているはずです。
しかし、写真閲覧端末、インターネット検索端末としては、その機動性・操作性から考えて、パソコンとは別ものであり、法人としての導入を考えてみてもよいと思います。
いずれにしても、現物を見ないで、あきらめてしまうのはもったいない。一度試してみることをお勧めします。

我が家(+実家)の林檎化が進んでいます。

林檎化とは何であるか? 読んで字の如し。要するに、アップル社の製品の数が増えているという意味です。

① 私がMacBook Airを購入した

② 実家の母がiPadを使い始めた

③ 妻がガラパゴス携帯からiPhone4に切り替えた

このような最近の一連の動きを、竹永家林檎化計画と呼んでいます。

今日は、このうち、②についてご紹介しつつ、高齢者向けITのあり方について考察したいと思います。

実家の母のパソコン熱が突然上がり、御年70歳を越えながら、

「今年は年賀状をパソコンで作る」

を目標に、がんばってWordのトレーニングをしているのを見るに及び、高齢者向けのITはどうあるべきかを考えるようになりました。

iPadが発売されたとき、そのサイズ、コンセプト、用途に懐疑的であり、あまりビジネス・ツールとしては魅力を感じなかった私ですが、高齢者向けの情報端末として位置づければ、かなりのヒット商品になるのではないか・・・と、予想していました。

私の母の場合、パソコンの使用目的は主に3つ。

① インターネットで情報を調べる

② 文章を書く

③ 写真を閲覧する

母が上記3点に限定して使用するなら、高度なマルチタスク機能を持ったパソコンである必要はなく、iPadで十分ではないか…と思えたのです。

「iPad 高齢者」でネットを検索すると、予想通り、いろいろな情報が見つかります。

ある方が、年配のご両親(パソコン経験あり)にiPadを送ったところ、

「テレビは見られるのか?」

と問われ、答えに窮した…という話がありました。確かに、予備知識がなければ、あの四角い画面の黒い板状の外観からすれば、テレビが見られる機械だろう…と考えるのが普通です。しかし、残念ながら、iPadでは、テレビを視聴することはできません。

「でも、新聞は読めるよ」

と、産経新聞の無料閲覧ソフトを導入し、両親に閲覧を楽しんでもらうと、お父様が再び一言。

「朝日新聞はないのか」

なるほど。団塊の世代以上の方々にとって、

新聞=朝日

なんですね。ううむ。きっとビールはキリンがお好みなのでしょうね笑。

残念ながら、iPadを使っても、朝日新聞そのものは読めません(朝日新聞社のHPは見ることはできますので、ある程度の情報は入手できますが)。もっとも、現在は、iPadで産経新聞を読む場合にも、月額1,500円がかかります。これは、母のiPadに産経新聞の閲覧ソフトを導入するまで知りませんでした。iPhoneでは今も無料なのですが…。

とまあ、欠点や短所もあるのですが、それでも、体験的・直感的に使うことができ、起動も反応も速いiPadは、高齢者にとって親しみやすい情報端末です。

私の母もたいへん気に入ってくれており、起きている間は茶の間に、寝る時は枕元へ…と、常に移動させています。

一番よかったのは、何といっても写真の閲覧がしやすいこと。デジカメのカードを抜いて、アダプターを介して、iPadに挿し込むと、何の操作も必要なく、iPadが写真のデータを吸い上げてくれます。

そのまま、

① 写真1枚1枚を閲覧すること

② 日付ごとに1塊にして(iPadでは「イベントごと」という表現がされています)閲覧すること

③ テーマごとにアルバムを作り、アルバム別に閲覧すること

がいずれも可能になります。母には③はちょっと無理なようですが、①②は概念としてわかってくれた模様。主に、②に従い、時系列に並んだ写真を楽しんでいます。液晶もきれいですから、本当に楽しそうに眺めています。

「とにかく、何かわからなくなったら、ホームボタンで戻ればいいよ」

という私のアドバイスもよかったようです。パソコンを操作していた母に、かつて、

「え? パソコンの電源を引っこ抜いた?!? パソコンは、電源勝手に落としちゃだめなんだだよ」

と厳しく注意したことがあります。そのため、母にとって、パソコンは、

「勝手に電源を抜いてはいけないモノ」

「デリケートで難しいモノ」

「できれば避けて通りたいモノ」

になってしまったのです。たいていの家電製品は、勝手に電源コードを抜いてしまっても、何ら問題ないのですが、唯一パソコンだけが、そういう扱いを拒むのです。当たり前になってしまっているので、忘れがちですが、実は、パソコンとは、非常に特殊な製品なのです。

起動と反応が速いことも、iPadの持つパソコンに対する大きなアドバンテージです。先日購入したMacBook Airは、その立ち上がりの迅速性に最大の特徴があります。これはアップル社がiPadを開発する際に手に入れた高度な技術的資産をMacBookにも応用したためです。

iPadを使えば、イライラしたり、我慢したりする必要はありません。

通常の家電同様、スイッチを切れば、パッと画面が消えますし、操作がわからなくなったら、ボタン一つでホーム画面に戻れば、一からやり直すことができます。実にわかりやすい製品です。

中小企業診断士という立場からモノをいわせていただくと、中高年の経営者や管理職の方々で、今までパソコンやネット、メールに拒絶反応を示していた方にとっても、iPadならば、敷居が低く、馴染みやすいのではないかと感じます。

iPad本来の電子ブックとしての機能は当面日本では開花しないでしょうし、開花する頃には別な機種の時代になっていると思います。

しかし、iPadは、写真閲覧端末、インターネット検索端末としては、その機動性・操作性から考えて、パソコンとは別モノであり、相当、魅力的な製品です。

現物を見ないで、あきらめてしまうのではもったいない。一度試してみることをお勧めします。

㈱経営教育総合研究所 竹永 亮(takenaga@eiseikanri.biz ご意見・ご感想はこちらへ)