ロビンスによれば、組織の構成員にとって政治(国の政治だけではなく、社内や組織内の「政治」を含む)が脅威とみなされ、人が常に「防御行動」で政治に対応する場合、最終的に業績が低下します。

彼は防御行動(組織内防御行動)を次のように体系化しています。
震災後の日本の政治がいかに、関係者たちの「防御行動」によって、遠回りをしているかがよくわかります。
(その意味では、震災後の日本の政治は、皮肉にも「組織内防御行動」のよい教科書です。)

① 行動を避ける
a. 過度に既存の基準に従う…「規則では〜である」といった発言を貫く
b. 責任転嫁をする…タスクの実行や決定に関する責任を他人に転嫁する
c. 仕事を引き延ばす…「2週間でできる仕事を4週間かける」等
d. ごまかしをする…面従腹背を貫く

② 非難を避ける
a. 必要以上のことをする…熱心に業務をしているかのように振る舞う
b. 安全策をとる…成功確率が高いプロジェクトだけを請け負う等
c. 正当化する…責任回避の言い訳や謝罪による深い反省の念の提示等
d. 身代わりを立てる…非難の矛先をまったく責任のない外敵要因に向ける
e. 偽りの報告をする…情報に対する歪曲、装飾、部分的提供、あいまいな表現等

③ 変革を避ける
a. 阻止する…脅威とみなす変革が実行されることを阻止しようとする
b. 自己防衛…変革期に情報その他の資源を守り、自己利益(既得権益)を守る

各自、各々の項目に適切な例をあげてみてください。
この数カ月間分の古新聞があれば、教材には事欠きません。