先日ある企業を訪問した際、

「実は、弊社もTwitterを始めました」

と伺いました。
当初は慎重だった日本の企業(大手・中小問わず)も、日経やダイヤモンド系の雑誌で、毎週のように取り上げられると、

「うまく使えば効果があるのだろうな」

と思う方が増え、

「導入」

意思決定が下されるのではないでしょうか。

少し前まで私もTwitterに対しては懐疑的でしたので、お気持ちや経緯はたいへんよくわかります。

しかし、いざ、スタートしてみると、

「優良なコンテンツを定期的に出し続ける」

というのは、けっこう骨が折れることに気づかれるはずです。

実は、

「文章は制限文字数が短くなればなるほど、難しい」

ということに多くの方は気づいていないのです。
一番難しいのは、俳句、次が、短歌、そして、三番目がTwitterというところでしょう。

Facebookのウォールへの投稿は420字。
ざっと原稿用紙1枚分です。
これに比べるとTwitterはるかに短い(140字)。

ちょうど140字に納めるのがとても難しいが、そこがおもしろい…というニュアンスを、外国の友人に説明するときは、

”Twitter is like a puzzle for me.”
(「Twitterは私にとってパズルみたいなものですよ」)

といえば、概ね理解してくれます。
日本では、「何文字」という数え方が浸透していることを知っている友人ほど、縦に頷いてくれます。

ですから、パズルが楽しい方にはよいと思うのですが、パズルが苦手な方には向かないかもしれません。

文字数をまとめあげることがたいへんだ…ということ以前に、ネタ探しにも苦労します。

「今、おいしい餃子をゲット! ハッピー」

では、ビジネスにおけるつぶやきとしては通用しないからです。

そこで、今後は、

「つぶやき代行ビジネス」

が出てくるのではないかと予想。

早速、Googleで調べてみましたら、すでに先行者はいるようですね。

私の場合、不勉強なこともありますが、複雑な方法をとるよりも、正攻法で、

「卓越した有益な情報を継続的に出すこと」

で、フォロワーの数を増やすことはできると考えています。

想定する標的顧客が、

「これいいな。このつぶやき、明日の朝礼のネタとして使えるな」

と思っていただけるような情報を出し続ければ良いわけです。

内製化が難しい場合、単純に、既存のコンサルタントやライター(雑誌に寄稿している方々)代行依頼(外注)してしまったほうが速いのではないかと思います。

雑誌の原稿料の相場がどれくらいか、調べてみますと

400字で 2,000〜4,000円

くらいです。
Twitterの場合、

140字ですから おおむねその3分の1

140字で  700〜1,400円

というのが妥当かもしれません。
量ではなく、質についても加味することができます。フォロワーの数の増え方を、ボーナスとして加算してもいいわけです。

わかりやすくするために、

140字  1,000円

として考えると、

1ヶ月で100投稿で

1,000円×100=10万円

となります。
企業規模によって、この10万円をどうみるかは違ってくると思いますが(効果測定によって)、大企業にとっては、広告宣伝費・販売促進費としてはきわめて安上がりです。
もっとも大企業の場合、もう少し力のあるコンサルタント・ライターに依頼するでしょうから、倍額としても

2,000円×100=20万円

です。

直接、コンサルタントやライターをさがすのだたいへんであれば、仲介者(ベンダー)が必要になります。
彼らの取り分を50%上乗せして、

2,000円×100×1.5=30万円

くらいが妥当でしょう。

さてさて。
ここで、宣伝というわけではないのですが、中小企業診断士というのは、

「100字」
「150字」
「200字」

にきっちりと仕上げるために、ものすごいトレーニングを受けている方々です。

人によって得意技や得意領域は違えど、ほぼ共通しているのは、彼ら(私もですが)は、

「卓越した文章圧縮能力」

を持っているということです。

「140字」

という字数制限が与えられると、内発的に動機づけられる種類の(不思議な)人達です(私もですが)。

単位文字数当たりに重要キーワードがどれくらいあるかを示す言葉に

「キーワード密度」

があります。

彼らの書く文章は、とにかく「キーワード密度」が高いのが特徴です。そうでないと、国家試験をパスできないのです。

㈱経営教育総合研究所がパートナーとして登録・契約している中小企業診断士の数は150人以上です。そのうち、メインで執筆の仕事をしてくれている方々はおよそ50人。
『企業診断』『近代セールス』『商業界』そして、最近スタートした『日経流通新聞』
執筆を担当しているのは、山口自身と山口が担当している弊社ライティング講座の卒業生 (全員中小企業診断士)です。
弊社の執筆量ですが、合計すると年間7,000頁くらいになります。 計算するのも面倒な量です笑(詳細は弊社ホームページ参照)。

 

Twitterの場合も同じです。「キーワード密度」が高くないと、非常に中身の薄いつぶやきになってしまいます。

先日の「140字の経営学」からの転載ですが、

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ベストセラー「もしドラ」の主人公「川島みなみ」に、AKB総選挙で雪辱を果たした「前田敦子」をキャスティングした映画『もしドラ』は、本来、シナジーという用語を説明するのに、最適な教材となったはずである。ところが、映画は大苦戦。実際の経営は、フレームワーク通りにはいかないものである。
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キーワードは、「もしドラ」「川島みなみ」「AKB」「総選挙」「雪辱」「前田敦子」「映画『もしドラ』」「シナジー」「最適な教材」「苦戦」「実際(との違い)」…以上、11個入っています。

このどれがかけても、このつぶやきの価値は半減します。
11個のキーワードが奏でるオーケストラ
一種のハーモニーなのです。

まもなくスタートして20日になろうとしている「140字の経営学」ですが、「キーワード密度」と「ハーモニー」について興味のある方は、過去にさかのぼって、1つ1つ分析してみてください。

上記「もしドラ」の例が、特に優れたつぶやきでないことがおわかりいただけると思います。

個人的に、この20日間で、一番良く出来たなあと思うのは、新幹線の中でつぶやいた、

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J・コッターも提唱する革新者・管理者二元論を、日本で最初に理解していたのは、坂本龍馬であろう。彼は、自らが革命家(=革新者)であり、政治家(=管理者)たりえないことを知っていた。両者の区別ができず、革命後の政府に為政者として留まり、晩節を汚してきた他の革命家との大きな差異である。
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です。
これも分解し、キーワードを拾ってみましょう。

「コッター」「革新者・管理者二元論」「最初に理解」「坂本龍馬」「革命家」「革新者」「政治家」「管理者」「区別」「留まる」「「晩節を汚す」「差異」

以上。
12個です。1つ欠けても、このつぶやきは成立しません。

私が「140字以内」ではなく「140字」にこだわるのは、1つには、そのほうが目立つからです。
マーケティングや経済学の用語を用いれば、「シグナリング効果」が働くからです。

シグナリングとは、人や組織が「ちょっと無理している」「ちょっとがんばっている」ことが、相手の人や組織に伝わると、強く注目していただけるという考え方です。

「あそこの店、24時間営業だってさ」
「がんばるね。すごいな。ちょっと行ってみようか」

これが一番簡単なシグナリングです。

実際、「140字の経営学」は手間がかかっています。「140字以内「よりも「140字ジャスト」のほうが作成に時間がかかりますから、フォロワーの方々の評価が高くなります。
シグナリングが生じているのです。

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無条件返品保証を表明している六花亭。顧客への代替案対応を徹底しているリッツ・カールトン・ホテル。少しだけ無理をする企業に対し、消費者は自らのアンテナを向けてくれる。顧客がキャッチする信号を「シグナリング」という。「ジャスト140字」の反響は大きい。シグナリング効果のおかげである。
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このように、

㈱経営教育総合研究所は、Twitterは後発組ですから、実験的にスタートした私のTwitterはいくつかの差別化要因を必要としています。

これ自体についても先日、つぶやきました。

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後発が先発に追いつくのは並大抵なことではない。市場開発リスクを負うことを放棄した必然的な報いである。①実名投稿、②テーマ絞り込み、③高密度情報発信、④非営業主義、⑤ジャスト140字、⑥高頻度投稿。以上6つが「140字の経営学」における先発Twitterに対する差別化の要素である。
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以上が先日のつぶやきです。

このうち、④⑥は初期・導入期にはかかせませんね。

④については今後はだんだん押さえていきます(営業的側面も出していきます)。
Twitterでガンガン営業しようとは思いません(そんなことをしたらフォロワーの方々に愛想をつかされます)が、ボランティアではなく、ビジネスにつながっていくことを証明しなければいけない立場にありますので、そこはご理解いただければと思います。

直近のつぶやきを見るとそのことがわかります。
ちょっと営業も入っています笑

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http://t.co/leSKkF7 ドラッカーは、顧客創造の基本機能は、「イノベーション」と「マーケティング」の2つしかないと説いた。本講演では、FacebookとTwitterを用いた「マーケティング・イノベーション」を取り上げ、これらによる顧客創造の是非についても論じる。
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URL部分は、日経ビジネススクールへのリンクです。
http://www.nikkei-nbs.com/nbs/seminar/1107013.html

⑥については、初期のハイスピードは維持できないかもしれませんが、もともとは、

「歯磨きの回数だけつぶやく」

が目標ですから、1日3個。
1週間で20個くらいがよいペースではないかと思っています。

スピードや頻度を追求し、が落ちることを、自分でも一番恐れているからです。

もし、皆様の中で、Twitter、正確に申し上げれば、「つぶやく際に書かなければならないMax140字の文章作りそのもの」で苦労されている方がいらっしゃれば、㈱経営教育総合研究所のほうに一度ご連絡ください。

① ノウハウについて教えてほしい
② 代行を依頼したい

いずれでもけっこうです。

その際、このブログを見た…といっていただければ、話が早いと思います。